サガン鳥栖の観戦記。戦術を分析して分かりやすく説明できるように心がけています。

2019年01月10日

サガン鳥栖の勝敗と担当主審との関係(2014 to 2018)

新年、あけましておめでとうございます。
昨シーズンはハラハラドキドキのシーズンでしたが、終わってみればこれもまたサッカーの楽しみのひとつであるということを感じた(感じる事が出来て良かった)1年でした。
何はともあれ、残留と言う結果を出すことができ、今シーズンも日本のトップリーグという舞台で戦う事ができるのは、この上ない喜びですよね。
今年は新監督を迎える事になるので、シーズンが進まないとその展望と目標が明確に見えてこないということはありますが、当然の事ながらあくまでも「優勝」もしくは「ACL出場」を果たせる順位を目指しての発進となります。今年こそは、下方修正しなくて済むように戦いたいものですね。

さて、シーズンオフ恒例のデータ解析企画。今回取り上げるのは主審との相性。
昨シーズンも主審に泣かされたり、逆に主審のナイスジャッジに感謝したり、悲喜こもごもであったかと思われます。
筆者的には、主審との相性は、少なからずや存在するのではないかと思っております。
当然、判定はルールブックが物差しではあるのですが、場面、場面における解釈や判断は主審に一任されています。
事象とルールの「つなぎ役」であるが故に、曖昧なところに関しては、主審個々の判断で異なる場合も当然発生します。
アグレッシブに対応するギリギリのプレーにおいて「ファールを取られる」「ファールを取られない」のどちらの判定が下るかというのは非常に大きいです。
特に、ゴール前でのセットプレイによる失点は死活問題ですからね。
そういう場面でこそ、主審の感覚(クセ)で判定が変わるのかなと思っています。

さて、その主審ですが、スターティングメンバー発表の前に主審のアナウンスがあった時に、スタジアム内にちょっとしたリアクションが出る事もあります。
果たして、そのリアクションは正しいのか?
実はサガン鳥栖にとって相性が良い審判に対して変な感情を抱いていないのか?
巷の先入観にとらわれず、実績データとして主審との相性を見てみましょう。

ということで、下表が過去5年間(2014シーズンから2018シーズン)のJ1リーグ、ルヴァンカップ(ヤマザキナビスコカップ)の集計結果となります。
黄色背景は何となく相性がいい審判、赤背景は何となく相性が良くない審判です。

サガン鳥栖の勝敗と担当主審との関係(2014 to 2018)

集計結果を見て、筆者の見解と感想を述べます。

<The サガン鳥栖> 家本 政明

過去5年間で最も多くのサガン鳥栖の担当主審をしていただいたのが家本さんです。
家本さんと言えば、思い出されるのが、この試合。
草津の高須が「足がもつれてこけたら同僚が喜んでいて何かと思ったらPKだった」…なんて談話も発表されたりと、古株の鳥栖サポーターからすれば忌々しい記憶かもしれませんが、サガン鳥栖がJ1に昇格したように、家本さんもしっかりと成長。
あの時の、飛んで走ってきたシュナイダーに有無も言わさずにイエローカードを出した気の短さはどこにいったやら、今は温和な表情で選手と対話してその場を収めるという、かつてのツンツンとした姿が微塵も感じられない人情派の審判になりつつあります。
この家本さんの裁きっぷりの変化は、「人間は成長するもの」という良い実例となりえて、どこの企業でも抱えている人材育成のノウハウが凝縮されているのではないかとも思っています(笑)

さて、そうやって、サガン鳥栖と共に成長してきた家本さん。
そのデータを見てみると、驚くことに平均勝ち点、勝率、引分以上率、ほぼサガン鳥栖の過去5シーズンと同じ割合!
J2時代から共に成長してきた家本さんは、もはやサガン鳥栖といっても過言ではありません(笑)
彼の裁定によって勝ち、負け、引き分けに影響が発生することもあるかもしれませんが、何があっても
「あー、これがサガン鳥栖だ」
と思って諦めましょう(笑)

<The 最多勝> 木村 博之
彼がウォーミングアップで登場した時には、バックスタンドから「児嶋さーん」って声がかかるとか、かからないとか(笑)
そんなこんなで、アンジャッシュの児嶋さんに見た目が似ている木村さんですが、裁きっぷりは至ってクール。
警告、退場、得点、何があっても表情変えずに、真摯に選手の方を向いて対応する凛々しい姿は、とても芸人とは思えません(笑)

そんな木村さんですが、サガン鳥栖にとっては相性抜群!
14試合を担当して頂いて、その勝利数はなんと8。最多勝受賞です!!
サガン鳥栖自体が過去5年間の勝率が35%であるのに対して木村さん担当の試合は、57.1%もの勝率を誇り、平均の勝ち点も2に迫ろうかというものになっています。
木村さんが担当となった試合では、サガン鳥栖サポーターは少しにやりとして良いかもしれません。
でも、負けたとしても、相性の良い木村さんでも負けたのだから今日は負け試合だったんだととっとと諦め、ヤケ酒でも飲みましょう(笑)

<The 防御率№1> 西村 雄一
10試合以上担当して頂いている審判の中で、倦怠期の夫婦程に相性が悪いのが西村さん(笑)
その勝率はなんと10%!
東城さんも勝率14.7%ですが、東城さんの場合はその多くが引き分けによるもの。
西村さんが担当した試合は、ガッツリと10試合中、6試合負けています(笑)
ワールドカップの開幕戦で笛を吹かれるほどの日本有数の実力者である西村さん。
彼の試合で負けが多いという事は、倒れなくても良いところで(ファールでないプレイで倒れて)ファールをアピールしたり、手を使ったのに欺こうとして違うよというふりをしても見逃してくれずにしっかりとファールを取られたりしているのかもしれませんし、まったく関係ないのかもしれません(笑)
ただし、相性が悪いことだけは確か。
西村さんが担当となったら、相性が悪いということを念頭におき、その試合に勝つのは困難だと自覚しましょう(笑)
もし勝てたとしたら、今日はデータを覆す素晴らしい日だったのだという事で!

<The 救世主> 山岡 良介
さて、山岡さんが救世主と言ってピンとくる方はいますか?
ここでピンときた方は、かなりの主審マニア!(笑)
山岡さんは、2018シーズンからJ1の笛を吹いていただくことになりました。
サガン鳥栖にとっては、昨シーズンが初お目見えの審判です。
では、なぜ、山岡さんが救世主なのかというと、山岡さんは、昨シーズンは2回サガン鳥栖を担当して頂いたのですが、いずれも、サガン鳥栖大ピンチの際に担当して頂いて、サガン鳥栖に起死回生の勝利を吹き込んでくれたのです!

その1試合目は、あの7連敗を脱却した清水戦。シーズン序盤とはいえ、さすがに今年はやばいぞと。試合前に社長が直々に会話するという異例のサポーターズミーティングが開かれ、早くも腹をくくらないといけないのかなと思った時に現れたのが救世主山岡さんでした。特に違和感もなく、スムーズに勝利を運んでくれたジャッジでしたが、ちゃっかり、小野を退場にしたところはお茶目でした(笑)

2試合目の担当はホームでのC大阪戦。トーレスも加入してワールドカップブレイク後に反攻だ!…と思いきや、湘南には引き分け。
トーレスデビューのホーム仙台戦では攻め続けながらも西村の一発に沈み、磐田戦ではいいとこなしで引き分け。
そして、問題の清水戦。金崎がディフェンスラインの裏に抜けだし、後ろからひっかけられて倒されてもどこ吹く風でノーファールと判定した飯田さん。試合は清水の勝利となり、審判への憎悪と不信感が漂う一週間。
そして訪れる、気にはしていないながらも気にしているようで、なかなか勝てずに呪縛のようになっていたユンさん率いるセレッソとの戦い。ここで負けるようだと再び、降格が脳裏をよぎりだす大事な試合。。。

そんな時に、悪い思いを払しょくしてくれたまたもや救世主山岡さんでした!
…とは言うものの、ジャッジそのものは目立つものではなく。良い意味でですよ!(笑)
主審は目立たない方が良いので、最良のジャッジだったかと思います。

そんなこんなで、サガン鳥栖の(影の)救世主となってくれた山岡さん。
メシアである彼が担当してくれた試合で負けたならば、その試合はサガン鳥栖の日ではなかったと、とっとと諦めてヤケ酒を飲みましょう(笑)

◼️ まとめ
サガン鳥栖の歴史の上で、いろいろと思い出されるシーンはあります。
もちろん、主審の裁定で(良い方にも、悪い方にも)試合の行方が変わったのではないかと思われる試合もあります。

しかしながら、明確に言えるのは、審判団がいないと試合ができないという事です。
選手たちに比べて必ずしも厚遇とは言えない彼らの努力があってこそ、サッカーの試合を楽しむことができています。ありがたいですね。

判定に疑義があったとしても、ルールを隅々まで知り尽くしているプロの判定でもありますし、そもそも判定は覆らないので、我々は受け入れるより他にありません。
上記の文章では「諦めましょう」と表現していますが、その心は「受け入れましょう」なのです。

スタジアム全体が審判団に対するリスペクトの気持ちを持っていれば、審判団も気持ちよく鳥栖スタジアムで笛を吹けるかもしれません。
そのように、審判団をリスペクトする雰囲気のスタジアムであるにも関わらず、ブーイングが起これば、
「もしかしたら、俺の裁定おかしかったかな」
と思ってくれるかもしれません(笑)

みなさんも、いつもピリピリ怒っている人が怒鳴っても、またかと思って聞く耳持たない事ないですか?
いつもニコニコしている人から叱られるとちょっと気持ちがピリッとする事ないですか?

それは審判団に対してだけでなく、選手たちに対しても同じだと思ってます。
いつもは、試合の勝敗に関わらず拍手と激励で選手たちを出迎え、選手たちが人として、プロとしてあるまじき行為を行った時だけにブーイングを集約すればよい効果が出るのではないかなと思っています。

サッカーは、選手だけでなく審判も試合を構成する要素であります。
彼らなしでは試合は成り立たないという気持ちを持って頂き、審判に対する不当な野次が減ったらうれしいなと思います。




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Posted by オオタニ at 20:20 │SAgAN Diary