サガン鳥栖の観戦記。戦術を分析して分かりやすく説明できるように心がけています。

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Posted by さがファンブログ事務局 at

2014年10月21日

鳥栖 VS C大阪

久しぶりのスタジアム観戦でした。

柏戦の試合後、レギュラーの菊池とキムミンヒョクが帰ってくるまで我慢できればというエントリーを書きましたが、やはり、彼らが帰ってきてからの横浜FM戦、セレッソ戦は、しっかりと1-0で勝利を上げることができました。

監督が変わってからの騒動というのも落ち着き、体力にウェイトを置いている戦術としてはきつい夏場も乗り切り、レギュラーメンバーがほぼ怪我や離脱なく出場できる状態になってきたので、今後は思うようなサッカーにならないような負け方はなくなるのではないかと思います。上位を狙うためにも、下位相手への取りこぼしも減ってほしいですね。

サッカーは個人技も必要ですし、組織力も必要です。ただ、築き上げてきた組織力はメンバーが同じならば、一朝一夕で崩れるようなことはありませんが、メンバーが変わればそれはすぐに失われます。菊池、キムミンヒョクの例を出すまでもなく、いま、一番怖いのはレギュラーメンバーの離脱なのです。鳥栖の選手層では、サブのメンバーも含め、誰が欠けても思うようなサッカーができなくなると思います。そんな中、播戸がチームを鼓舞する動きで決勝点のアシストを決めたのは、新たな選択肢の台頭として大きいですよね。もしかしたら、あのアシストはシュートだったのかもしれませんが、積極的なプレーが点を生みました。

スタジアムで見ていましたが、菊池、キムミンヒョクは瞬発力に対する不安がないため、裏を取られても追いついてカバーリングができるというバックボーンがあります。そのため、ディフェンスラインを高く保ち、中盤のラインとの距離をコンパクトにキープすることが可能でした。カカウが入ってきて、彼のキープによる「ため」と、ひきつけてからのパスというテクニックにより、サイドを割られることはありましたが、ピンチが角度のないところからのシュートだけにとどまったので、決定的に崩されて失点するという所までには至りませんでした。

あと、義希の出来がよかったかなと思います。サイドハーフが作ったスペースに走りこんでクロスを上げるシーンも見られましたし、彼の運動量がかなりチームの活性化に貢献していました。バランスもとれていて、ディフェンスラインの前にアンカー的に構える藤田との役割分担がしっかりとできていました。このあたりのプレーの質を岡本が吸収することができればよいなと思ってみていました。来年に向けて、ACL出場を目指しているからには、岡本の成長は鳥栖にとっては必須の課題だと考えています。

ここ2か月でいろいろありましたが、何はともあれ2連勝で3位浮上です。終盤へ向けて、大きな勝利だったと思います。

  

Posted by オオタニ at 17:45Match Impression (2014)

2014年09月24日

柏 VS 鳥栖 (雑感)

柏戦は、凡戦と言ってもいいような内容で敗れてしまいました。

監督が変わってから、なかなか思うように勝ち点を奪えないというよりも、思うようなサッカーができていないように感じられます。好調な時にはあまり見られなかった、パスミス、シュートミス、クリアミス、トラップミス、マークミス、ポジションミス、いろいろなミスが散見されます。

サッカーは相手のミスがなければ点が取れないスポーツです。ですので、いかに相手のミスを突くかというところが勝つためのポイントになります。また、相手に点を取られないために、いかに自分たちのミスをなくすかということも負けないためのポイントになります。

好調な時には、組織と個人の歯車がかみ合って、少々のミスが出てもそれを補って余りある相手のミスをつく動きができていました。だから、試合の流れを自分たちで引き寄せることができてましたし、セカンドボールを拾う確率が格段に高かったような気がします。

チームがリスクをかけるかどうかという判断、選手の配置やポジショニングの指示は監督の手腕です。選手配置・選手交代についてはその時々の状況がありますので、前監督と比較しても意味がないのですが、明らかに前監督とは趣の異なる選手起用、交代ではあります。しかしながら、出場した選手がどのようなプレイをするか(如何にしてミスの少ないプレイをするか)というのは選手個々の能力の問題です。

組織的なプレイというのは、前のエントリーでも書いたように、ある1人の動きに伴って、他の10人が意図を感じとって、その1人の動き(目的)を生かす(または補完する)動きができるかというところなのですが、意図を感じ取る以前の問題となる「ミス」が多く発生し、個々のプレイの質の低下が発生しております。

選手の個人のプレイに関する一番大きな変動要素は、センターバックでしょう。首位を奪うほど調子のよかった時期はキムミンヒョクと菊池のコンビだったセンターバックが、現在は小林と坂井が出場しています。ディフェンスラインのコントロール、ビルドアップ、そして一番大事なボール奪取能力。レギュラーセンターバックが2人いないという現実は、サガン鳥栖にとって大きな問題でありますし、昨年、菊池が加入するまではJ2降格のピンチであった状況を鑑みると、現在の歯車の合わない戦い方は、必然の結果なのかもしれません。

出場する選手が変われば戦い方は変わります。新人監督の吉田監督に求めるには酷なのですが、レギュラーメンバーがそろっているときと同じ戦い方をしていては勝てないと思います。出場している選手たちの能力を最大限発揮できる選手配置、交代、そして戦術をチームに与えなければなりません。

幸いにも、サガン鳥栖には勝ち点として、前半の貯金があります。まだまだ優勝を狙えるチームの位置であるので、優勝するためには、菊池、キムミンヒョクが帰ってくるまでに勝ち点で首位に離されない戦い方をどうやって行うか、ということが大事だと思います。そう考えると、アウェーの柏戦では後半に押し込まれたときに、勝ち点1を取るための戦い方という風に戦術変更できたらよかったかなと思いました。

柏の選手の第3の動きについていけず、ディフェンスラインの前にポイントを作られていたので、そこをつぶすプレイヤーが欲しかったですね。(去年まで在籍していたニルソンとか入れると効果的だったでしょうけどね。いないから何とも言えませんが。)


  

Posted by オオタニ at 15:11Match Impression (2014)

2014年08月29日

天皇杯 鳥栖 VS 大分 雑感

天皇杯3回戦大分トリニータ戦にて、吉田監督が公式戦初勝利をあげました。先制されるという苦しい展開だっただけに、この勝利は大きな自信になると思います。大宮戦での勝利も、この大分戦での勝利があったからこそだと思います。

試合を振り返ります。大分は前半は非常に鳥栖のポイントを押さえた攻撃・守備をしていたと思います。

大分の守備は3バックの登録でしたが、守備のブロックは、6番の土岐田が左サイドから下がって、最終ラインは4枚で対応しておりました。前半、鳥栖は、その最終ラインに対して、谷口と早坂が横の関係になってしまって、ディフェンスラインを横に走って、裏へ向けたボールを引き出す動きしかできていませんでした。しかしながら、ボールを供給する岡本の位置がディフェンスラインまで下がっていたのと、大分は、ディフェンスラインと中盤との距離を開けず、しっかりとブロックを組んでいたので、岡本が大分の中盤を縫って配球するには、非常に難しい状態でした。サイドに蹴っても、精度を欠いてむなしくボールだけ転がっていくシーンが多かったですね。

岡本の動きとしてもリスクをかけたくなかったのか、ポジショニングがずっと引き気味でした。キムミヌや金井にボールを渡してから、彼らが横にドリブルに入ったときに、岡本が縦のスペースに飛び出していけばというシーンが何度もありましたが、彼は、後ろでボールを待ち構えるプレーを選択しました。これも、攻撃が繋がらなかったポイントだと考えます。

まとめると、前半、サイド攻撃が停滞していた原因は二つ。
・ フォワードが前線に張り付いた位置でしか動けていないため、中盤からのボールの供給ができない
・ サイドハーフが絞ったときにそのスペースを使うプレイヤーがいない(ボールが後ろで回っているので動けない)

後半に改善したのは、早坂の動きが大きいと思います。大分のディフェンスラインと中盤との間にポジショニングを取って、ボランチがボールを出せるポジショニングを取り、つなぎという形を作ることができていました。早坂のキープによって、鳥栖のサイドの選手があがるきっかけを作ることができましたし、岡本が前目でプレーできる状態も作れました。早坂のレベルだったら、J2レベルの選手からそうそう簡単にボールを奪われることはありませんので、ディフェンスラインの裏を狙うよりは、足元で勝負できるこの形の方がよかったですね。

大分の攻撃は、非常にシンプルでかつ、鳥栖の守備を崩すならばここというところをしっかりとついてきておりました。
特に目についたのは、中盤を6枚と厚くして、8番と14番が、鳥栖のサイドバックとハーフの間にポジションを取って、鳥栖の中盤とのミスマッチ(人数が多くなるエリア)を作っていました。中盤に人をかける分、前線は大分の18番だけになってしまいますが、鳥栖のセンターバックの2人が彼の動きに手間取り、何度となくピンチを作っていました。中盤の構成力と、最後は個人の突破にかけるという、ある意味バランスが取れた構成だったと思います。大分の先制点も、不運なゴールのようですが、その前の段階で小林が風間に体を入れ替えられているんですよね。前線が良い形でボールを受ける中盤の構成をしていたからこそのゴールだと思いました。ただ、鳥栖が攻勢を強めた後半には、そのバランスの良さも影をひそめてしまいました。高松などを入れて前線に人をかけましたが、ボールが段々とつながらなくなってきていましたね。

鳥栖としては、このタイミングで天皇杯の試合が入ったのは非常によかったと思います。
坂井も日本代表に選ばれ、またまた鳥栖の試合が注目されるようになったので、ぜひとも清水戦は勝利してほしいですね。
でも、吉田監督も、坂井が選ばれてしまったから、清水戦は試合に出さないといけなくなりましたね(笑)

  

Posted by オオタニ at 11:37Match Impression (2014)

2014年08月18日

鳥栖 VS FC東京 雑感

監督交代後、初のホームでの試合でしたが、大勢の観客の声援もむなしく、0-2で敗戦となってしまいました。サガン鳥栖が標榜している組織的なサッカーは、監督交代の影響があったのかどうかと言われると、筆者としては、「一時的に影響あり」と見えました。

さて、組織的なサッカーとはどういうことを指すのでしょうか。
筆者は、組織的なサッカーとは、
・ 11人が同じ意図をもってピッチ上を動くこと
・ ある1人の動きに伴って、他の10人が意図を感じとって、その1人の動き(目的)を生かす(または補完する)動きができること。
これができれば、チーム戦術や個々の動きなどには関わらず、そのチームは「組織的なサッカー」ができていると言えるのではないかと思います。ドリブル突破を多用してくるチームであっても、そのことがチームとして意識共有できており、リスクマネジメントができていれば、立派な組織的サッカーだと思います。

サガン鳥栖は、監督が交代しましたが、選手は変わっていません。スターティングメンバーにも変更はありません。(水沼か早坂の選択は、ユンさんの頃と同じ)また、戦術もシステムも変わっていません。ですので、チームとしてのやり方や、選手個々の動き方はユンさんの時と大きくは変わらず、前節まで首位をキープしていた組織的な戦い方の地盤はそのまま継続しているものと思われます。

しかしながら、この試合で、監督の交代で影響があったことが2点ありました。それは、

・ 選手のモチベーション
・ 選手交代

良い方にも悪い方にも変わる可能性があるこれらの影響が、この試合では、残念ながら、悪い方にでてしまったかなというところです。

まず、「選手のモチベーション」ですが………モチベーション、高すぎました。

選手たちのひとつひとつのプレーに、監督交代を言い訳にしたくないという気持ちがひしひしと伝わってきました。その勝ちたいという気持ちが故に、普段以上の力を発揮しようとする動きを個人が見せ始めます。皮肉なことに、これが組織としてのサッカーの綻びとなってしまったのではないかと思います。

水沼、キムミヌがボールを奪おうとプレスするシーンや、林がボールを運んでフィードをできるだけ前でやろうとしたシーンや、菊池がドリブルで相手のプレスを幾度となくかわすシーンなど、いつもよりも「やってやろう!」「オレが何とかしてやろう!」というシーンが多かったように見えました。これらのプレーは、彼らの持ち味ではあるのですが、いつもよりもプレスの位置が高かったり、ボールを運ぶ距離が長かったり、かわそうとする回数が多かったりと、競走馬で例えるとずっと「かかっている」状態であったかと思います。

このように、ほんの少しであっても、個人がいつもと違う動きをすれば、その個人の動き(意図)を生かそう(補完しよう)とする周りの動きにも「ずれ」がでてきます。このタイミングでロングボールが来るはず、このタイミングでプレスに行くはず、このタイミングでパスが出るはず。自分の頭の中で想定している部分と異なる局面になった時に、その意図を感じとった動きをしなければなりません。この少しのずれが、ピンチを招いたり、チャンスを作れない(チャンスで点が取れない)という状態を生んでいるように感じました。

ただ、水沼、キムミヌがサイドでボールを受けて、仕掛けるシーンが多かったかと思います。このプレイに関しては、確かに成功率は低かったのですが、動きとしては良かったのかなと思います。相手をかわせばチャンスに繋がるプレイですし、相手の組織的な動きを崩すには、個人のスーパーなプレイが必要ですから、こういった攻撃面でのチャレンジは必要だと考えます。…とは言うものの、しかけた回数の半分くらいは抜いてほしかった(笑)

チーム全体の動きを見るに、モチベーションが高くて逆に空回りしているのではないかというのを感じました。早く監督交代の動揺が落ち着き、平常心でプレーができれば、監督交代前と同じ組織としてのパフォーマンスは十分に発揮できると思います。

もう一つ、「選手交代および交代後の選手配置」について。

サガン鳥栖は、サイド攻撃に活路を見出すチームであり、サイド攻撃を支える生命線は、スペースへのランニングとドリブル突破やワンツーを駆使した複数人数による崩しです。これらの攻撃を支えているのは、水沼、キムミヌの縦への動きはもちろんのこと、彼らのためにスペースを作り、彼らが作ったスペースを使う池田も非常に重要な役割を担っています。

交代選手を見てみると、キムミヌに変わった早坂はそのままサイドに入りましたが、岡本、谷口には、水沼、池田と同じ動きを求められていたわけではないので、前半に猛攻を見せたサイド攻撃と同じような展開を作り出すことはできませんでした。

岡本が入ってくることによって、押し出される形で藤田と高橋がワイドにポジションしていました。藤田は、ボールを配給することが得意なプレイヤーであり、縦のスペースを利用したり、突破を試みるプレイヤーではありません。岡本が入ったことによってボールを配給する役割を奪われてしまい、藤田の良さが生かせないポジションだったように思えます。

高橋は果敢にフリーランニングをしておりましたが、縦ではなく、ダイアゴナルにフリーランニングをすることが多いので、丹羽が生きるようなスペースの作り方は出来ていませんでした。高橋のランニングは本当に良いタイミングで走っていることが多いのですが、ここが「組織的なサッカー」のポイントでして、一人のプレイに対して、他のプレイヤーがその意図を感じとって、それを生かすプレイをしなければなりません。しかしながら、高橋にボールを出すわけでもなく、高橋が連れてきたマークのスペースに3人目の動きとして誰かが入ってくるわけでもなく、単純に、高橋がダイアゴナルに走ってからの展開に対するチームの共通意識が足りなかったというところだと思いますが、チャンスを作るための動きにはつながりませんでした。

また、谷口が入ったことによって、豊田と二人のターゲットを作るというベンチの意図はプレイヤー全員が感じ取っていたかと思います。しかしながら、ターゲットを豊田にするのか谷口にするのかというところは、明確に定めていたわけではなく、二人がボールに競りに行く際に被ることもありましたし、落としてからのボールの受け方、拾い方がすれ違っているシーンも多く見られました。

結局、3人が交代した後に決定的なチャンスになったのは、右サイドの縦のエリアに、高橋が入ってからクロスを上げたシーンと、藤田が岡本が上がっていった中央のスペースに入り、そこからファーサイドの豊田にボールを送って折り返しを岡本がヘディングをしたシーンだけでした。高橋がサイドの深い位置に入ること、藤田が本来の中央の位置からボールを配給すること、この2つのプレイ(いつものサガン鳥栖)のプレイこそが、チャンスを作るきっかけとなったのです。

ちょっと長くなりましたが、選手交代の後の全体のポイントとしては

・ 右サイドを縦に使う中盤の選手がいなくなった。(水沼の役割)
・ サイドのスペースに入り込む選手がいなくなった(池田の役割)
・ 前線のターゲットが交通渋滞を起こしていた
・ ボールを配給する選手が増えたので、ボールが後ろで回ることが多くなった。

結果から言うと、こういうところでしょうか。夏場の試合ですから、選手の疲労というのは間違いなくあり、ベンチの駒というのは限られているので、交代というのは非常に難しいのですが、これまでのやり方をあまり崩さないという前提に立てば、水沼の交代要員は、岡本ではなくて金井の方がおもしろかったかなという感想です。

逆に言うと、吉田監督はこういうやり方をしたいというのが選手交代に表れたのかなと思いました。シーズン中でなかなかその思いが浸透する時間がないのかもしれませんが、今後、練習の中で監督の意図というものを選手たちが理解してくれるのではないかなと思います。そうすれば、まったく同じメンバーで、まったく同じ選手交代が行われたとしても、もっともっとチャンスを作りだすことができると思います。特に、谷口の使い方次第では、このチームの可能性を更に広げることになりそうです。

次節の大宮戦では、何とか引き分けでも良いので勝ち点を奪っておきたいですね。そうすれば、監督も選手もみんながちょっと落ち着けるのではないかなと思います。



  

Posted by オオタニ at 19:16Match Impression (2014)