サガン鳥栖の観戦記。戦術を分析して分かりやすく説明できるように心がけています。

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Posted by さがファンブログ事務局 at

2018年01月28日

サガン鳥栖は大観衆での試合に弱いのか?

サガン鳥栖は新年度体制発表会を終え、キャンプ地沖縄へと旅立ちました。公式Blogやキャンプ見学に行かれた皆さまから少しずつキャンプの情報が入ってきて、非常に充実した様子がうかがえます。キャンプはこれから1年間の戦いの礎を作る大事なイベントです。主力もほぼ全員が残り、新メンバーの補強もあり、否が応でも期待感だけが増している状態なので、その期待に応えるべく精進してほしいと思います。

さて、その新年度体制発表会の際に、社長がJリーグ初の金曜日(プレミアムフライデー)開催という名誉を授与したと語っていました。これは、選手だけでなくチームとしての戦いなので、多くのサポーターで応援してほしいという思いも聞きました。当然、是非とも多くのサポーターで選手たちの門出を迎え、2018シーズンのスタートを勝利で飾りたいところです。

…というところまでは良いのですが、ふと、私の中で「サガン鳥栖あるある」がよぎりました。

「サガン鳥栖は大観衆を集めた時に限って負けがち」

……(笑)

みなさんはどうですか?サガン鳥栖にそんなイメージはありますか?

ブリヂストンデーや市民開放デーなど、2万人近い多くの観客を集め、新規顧客開拓のきっかけとしたいような試合で、コロッと負けたり引き分けたりして、非常に残念な思いで帰途に就いているという、なんとなく悪いイメージがあるのです。

だから観客はそこそこで良いなんて事は当然微塵も思っていないのですが、果たして、大観衆の中でのサガン鳥栖が負けがちというイメージは果たして正しいのか?それともそれは悪いことだけを記憶として覚えているだけなのか?ちょっと過去の試合を調査してみました。では、早速ですが集計表を。





…あれ?
…思ったほど負けていない。
…むしろ最近は勝ってる(笑)

ちょっと細かく見てみましょう。

J2時代は、ホームでの勝率に比べると、(特に暗黒の2003年以降は)観客が多い時の勝率がよろしくありません。20%という数字は、観客が多く入った試合では5試合見に行っても1試合しか勝ち試合が見れなかったことになります。

2009年は少し良かったものの、2010年に至っては、観客が多く入ると勝ち試合なし。ブリヂストンデーも逆転負け。この年は、観客が入っていない方が勝率80%と、完全に観客がいると勝てないスパイラルの全盛期でした。恥ずかしがり屋の選手が多かったのでしょうか(笑)どうやら、大観衆の下では勝てないという印象はこの期間に作られた気がします。

それが、カテゴリが変わってJ1になると、様相が一変します。J1リーグになってからは、年間のホーム勝率よりも観客が多い時の勝率の方が高いシーズンが6シーズン中4シーズンもあります!去年に至っては、観客が多かろうが、少なかろうが、ホームで無頼の強さを見せつけてくれました。(代わりにアウェー弱い問題というものが勃発しましたが。)

年間最高観客・最低観客の表を見ても、観客が多い方がホーム全体の成績に比べて、著しく劣っているというわけでもない模様です。観客が多い時に弱いというよりは、観客が少ない時の方が通常より勝ち試合が多いという感じですね。「大事な試合で勝てなくて観客が少ない時に勝ってしまう」という印象が頭に入ってしまったのかもしれませんが、「観客数が多いから勝てない」というわけではなさそうです。

では、特定のイベントにターゲットを絞ってみましょう。サガン鳥栖で集客が期待できるイベントと言えば、2006年から支援して頂いているブリヂストン様のスペシャルマッチである「ブリヂストンデー」があります。ブリヂストンデーも何となく「肝心な時に勝てない!」というイメージがあったりするものです。では、ブリヂストンデーのこれまでの成績を見てみましょう。



…あれ?
…思ったほど負けていない。
…むしろ最近は勝ってる(笑)(2回目)


特に、J1に上がってからは、2015年に敗れたものの、その他の試合では引分以上の結果を残しています。2007年を除いて必ず得点も記録していますので、初めて試合を見に来られた方へゴールシーンを見せることが出来ています。ブリヂストンデーをきっかけに、サガン鳥栖をたまには見に来られるようになった人もいるかもしれませんね。

また、2010年まではブリヂストンデーがその年の最高観客数だったのですが、2011年以降はブリヂストンデー以外の試合で最高観客数を記録しています。ブリヂストンさんの動員に頼らずとも大勢のお客さまを集客できる試合ができているのは良いことですね。

…ということで、観客がたくさん入るとあまりよい印象がなかったのは、J2時代の古い(悪い)結果が記憶を支配していたものであり、現在のサガン鳥栖は大勢の観客の声援に十分に結果として応えることができる勝負強いチームであるという結論で締めくくります。

選手たちの力にもなりますし、2018シーズンのプレミアムフライデー開幕戦は、是非とも大観衆で選手たちを迎えましょう!
  

Posted by オオタニ at 16:30Data Analysis

2018年01月21日

生え抜き選手・ユース選手の在籍率と成績の関係


昨シーズンは、田川、石川という鳥栖ユースから昇格した2名がサガン鳥栖のトップチームに加わり、地元の期待を一身に背負った活躍を演じてくれました。特に田川はU-21世代の日本代表に選ばれるなど、同世代の中でも頭角を現しつつあります。

また、ユースと言えば、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)優勝、全日本ユースサッカー選手権大会優勝という輝かしい成績を残しました。U-18もプレミアリーグ昇格こそ逃しましたが、プリンスリーグ九州優勝という立派な成績を残しました。トップチームだけでなく、アカデミー年代への強化策も着実に実を結んできております。

個人的には、J1リーグで強いチームはユース世代の強化も進んでいるイメージがあります。ユース世代から優秀な選手をトップチームに送り出すことは地元の応援熱もますます上昇しますし、生え抜き選手としてホームタウンやチームのことを理解して伝統を受け継ぐというのは、総合的なチーム力向上に資するものがあると思っています。

2018シーズンはユースからの昇格はなかったのですが、今後、田川や石川のようにルーキーイヤーに試合出場できるようなポテンシャルを持った選手たちがどんどん現れてくれるといいなと思います。
さて、鳥栖もかつての未曽有の経営危機を迎えていた頃は、なかなかユースにかける費用もままならない状態でした。サガンドリームスが経営を引き継いでから、少しずつではありますが、ユース強化にかける費用も増加してきました。地道な努力と投資が実を結んできた次第でありますが、経営が徐々に安定してきたからこそ、ユースチームの成績もトップチームの成績も向上してきたかのように思えます。(経営の安定が戦況に好影響をもたらすのは、昨年の長崎を見ると明らかですよね。)

そこで、昨シーズンのJ1リーグの生え抜き率・ユース出身率と成績との関係を調べてみました。
表の下の方に、生え抜き選手と成績、ユース出身選手と成績、それぞれの相関係数を計算しており、それぞれの散布図もつけております。
なお、浦和レッズに関しては、生え抜き率が唯一1ケタ台ということもありまして、チームの特性を考慮し「特異値」とみなした場合として、浦和抜きの計算も行ってみました。







その結果、昨シーズンの限ってですが、相関係数的には、生え抜き率が高いほど、ユース出身の選手が多いほど、成績が良くなるという傾向が表れています。

ひとつは、生え抜き選手が多いと、それだけチームの事(ホームタウンの事)を理解する期間が長いという事で、組織としての結束がより図れるのではないかと考えます。サガン鳥栖の例でいうと生え抜きではありませんが、在籍期間の長い豊田が「サガン鳥栖らしさ」と言っていました。チームスポーツなので、あるべき方向性を見据え、そこに向かってチームを束ねる(戦い方をはっきりする)ということを考えると、生え抜き選手やユースからの選手が多い方が同じ釜の飯を長い期間食っている期間が長くなり、自然とチームワークに繋がるのではないかと。

当然、成績は監督の力量によるところもありますし、「チームワーク」そのものが数値化できない非常に抽象的なものではあるのですが、「チームの象徴」と呼ばれる選手がより多い方がサポーターも含めた一体感が生まれ、成績に繋がりやすいのではないかと考えます。

また、どうしても、プロビンチャのチームは、育てた選手が他チームに移籍する(せざるを得ない)傾向にあります。そうなってくると、育て上げた生え抜き選手が、(海外も含めた)ビッククラブに移籍することになり戦力ダウンが否めません。鹿島や柏のように、他チームに行く選択肢よりも自チームに残った方がタイトルを目指せたり、契約金を豊富に出すことができるのであれば、チームに残る選択が増えるでしょうが、下位のチームであれば、海外やビッククラブへの移籍が大いに選択肢の中に入ってきます。これも一つの理由となっていると考えます。

もうひとつは、(私は、意外とこれが大きな要素である気がしますが)成績が悪いと、シーズン途中の補強が多くなってくるからだと考えます。昨シーズンは、新潟が降格のピンチに立たされた時に、鳥栖から新潟に富山、小川と2名の選手がレンタル移籍をしました。チームがうまく行っていない時は、海外選手の大幅な入れ替えも実施されますし、ある意味、生え抜きが多いから成績が良いというのと対局で、成績が悪いから補強する(結果、生え抜きが減る)という逆の論理ですね。

数値的には、このような結果がでましたが、サンプルデータが昨年度だけという少ない点と、上記に記載した因果関係ではまだまだ不明瞭な点が多い事より、確実に生え抜き率(ユース率)と成績に関係があるとは言い切れないものの、何となく、イメージ的なものとしては、総合的なチーム力がありそうな気はします。

また、特異値と見なして除外した浦和レッズですが、こちらは言わずもがな、豊富な資金力で即戦力選手を補強し、しかも結果を残しているチームです。今後、Jリーグにこのようなチームが増えてくると、生え抜き選手が多いからという相関は崩れるかもしれませんが、ますますビッグクラブとプロビンチャの成績の差は生まれるかもしれません。
名古屋グランパスがJ1に昇格してから海外の大物助っ人を補強していますので、今後は、もしかしたら浦和レッズのような即戦力を束ねて結果を出してくるようなチームになるかもしれません。

サガン鳥栖としては、田川、石川というユースから昇格してくれた宝を大事に育てていかなければならないですし、赤星、池田、義希(生え抜きではカウントしてませんが事実上生え抜き)と言ったベテランの残留も大きいですし、福田、三丸というこれから将来を背負ってくれるであろう選手たちへの期待も在籍期間が長くなるにつれてますます大きくなります。
これらの生え抜き選手と、生え抜き選手たちを凌ぐほどの人気と実力を持つ、様々な経験を積んで鳥栖に来てくれた選手たちが上手に融合して、今年こそ、チームとして最高の成果を残してほしいなと思います。

最後に、2018シーズンにおける、現在時点でのデータを載せておきます。
今シーズンの生え抜き選手率と最終成績を基に、シーズン終了後に改めて振り返ってみたいと思います。


  

Posted by オオタニ at 18:27Data Analysis