2015年05月27日
川崎 VS 鳥栖
川崎戦。
最高の出来だったとの森下監督の談でしたが、最高という形容詞の前に是非とも「前半は」というのを付け加えて頂きたい気はします。
さて、川崎戦は、風間監督のシステム修正により前半と打って変わって後半は苦しい戦いを強いられることになり、互いに攻撃を仕掛け合うという展開になりましたが、結果、負けてしまいました。
鳥栖の戦い方で、ここ数試合で気になるところがあります。4-4-2でマッチアップしている場合は、ミスマッチが起きないので、ハーフの選手のプレスの勘所が働いて、守備におけるポジショニングミスはあまり発生しないのですが、相手が3-4-3もしくは3-5-2になった場合に、どうしても試合の中でポジションの取り方が難しい場面があるみたいです。
後半になって、川崎が3-4-3のシステムにすると、途端にボール奪取もできなくなり、サイドを割られるようになります。
センターバックの選手がボールを持った時に、前半はボランチを経由することを模索しましたが、後半は、トップの選手に簡単に当てられるようになり、そこをケアしようとサイドバックが絞ってきたときに、ワイドに張っている選手がフリーになり、そこを起点にされる場面が目立ちました。2失点目の場面も、起点は川崎のセンターバックからフォワードを経由してワイドの選手を使うパターンでしたし、それ以前の時間帯から、同じパターンでピンチを迎えていました。実際の状況を示した図を2つピックアップしました。(赤矢印は人の移動、白矢印はボールの移動)
このパターンでやられた原因は、フォワードのボールへのファーストディフェンスと、ハーフのポジショニングの取り方です。特に、2失点目の起点は、川崎のセンターバックがボールを自陣からかなりの距離ドリブルで運ぶことを許しています。フォワードはボランチへのパスコースを消す動きでアタックにいけず、右サイドハーフが中途半端にリトリートしてしまったので、その間にボールを運ばれ、慌ててプレスに行こうとしたときには既に川崎の組み立てのパターンにはまってしまってました。
■後半にはいってからの崩しのパターン

■2失点目の起点

ちなみに、清水戦の2失点目(PKを取られた場面)の起点はこちら。
川崎戦と同様に、ハーフのポジショニングが悪く、4-3-3の形になってしまってブロック形成できずに、清水のワイドの選手を捕まえきれない状況になっていました。両サイドハーフのポジショニングがうまくとれない状況が続いています。

ナビスコカップの広島戦でも、吉田と磯崎が簡単に1VS1の状況を作られてしまっていましたし、(川崎戦と同様に、センターバックからフォワードの選手に当ててから、サイドに展開されるパターン)ハーフのポジション修正は必要でしょう。2ndステージに向けて、前線からの守備(アタックするゾーン、エリアの徹底)、相手のシステムを見据えたハーフのポジショニングの対応力が求められるところですね。
ユン監督の時代は、5バックにして両サイドのスペースを埋めて、深い所からのクロスを防ぎ、浅い所からあげられても上背のある3人で中央を占めるという、ポゼションを失うことをいとわない、ある意味徹底された守備戦術がありました。リードしてからの逃げ切り方というのも注目ですね。
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13:20
│Match Impression (2015)
2015年05月21日
鳥栖 VS 広島
ナビスコカップ広島戦。
勝たないと予選突破が絶望的になってしまう状況で、なんとか勝ち点3を得ることができました。リーグ戦ではなかなか出番のない選手たちも、公式戦という場面で経験を積むことができ、非常によい勝ちだった思います。
序盤は押し込まれるシーンも多く、とくに、磯崎のサイドは1VS1になる場面も多くあって手をやいておりましたが、鳥栖が15分頃くらいにプレスにいく位置を上げてから、広島のパスミスを誘発することができ、すこしずつボール支配ができるようになりました。試合を通じて、全体的に一進一退という印象です。
山崎がトップにいたのですが、豊田の時と同じようにロングボールを彼に預けるのはちょっと酷でしたね。もっと足元に対してボールを入れてあげることができればよかったと思いますし、彼も、ボールを受けることのできる場所に顔を見せたり要求することができたらよかったかなと思います。
田村はスピードがあって非常によい選手だと思いました。遠い位置からのシュートも積極的でしたし、リーグでは、負けてる場面で投入するにはよいカンフル剤になりそうです。
鎌田は、ボランチのポジションで持ち前の攻撃のアイデアがやや身をひそめていた印象です。
守備で考える時間が多く、相手の動きに対してポジショニングを取るのが精いっぱいという風に見えました。また、2列目と一緒にプレスにいってしまって、ディフェンスラインの前のスペースを空けて前に出る事もあり、ただ、そこでボールを奪いきってしまえれば良いのですが、奪いきることができなくてピンチを招くこともありました。
攻撃の際にも引いてボールを受けるシーンが多くあったのですが、ゴールから遠い位置でもあり、奪われるとカウンターのピンチにもつながりますから、なかなか無理することもできず、無難なパス回しになってしまいました。
谷口が入ってから、1列前にあがったのですが、その位置でプレイさせた方が守備の負担も減りますし、よいプレイができていましたね。
そういう意味では、岡本が鎌田の動きをよくカバーしていたと思います。相手にボールを奪われたからのファーストディフェンス(目を摘むプレイ)も目立ちましたし、押し込んでいる場面ではポジションを上手にあげてセカンドボールを狙える位置にいました。
ペクソンドンは、ボールを持った時には小気味よいタッチでリズムを作ってくれていました。ただ、いかんせん、逆サイドのタッチライン際でボールを要求することが多く、逆サイドでボールが動いているときにもう少し中に入ってからボールを受けた方がよかったと思います。逆サイドへの展開でも広島がしっかりとスライドするので、ボールを受けた時にはすでに相手が対峙してしまって結果的に中に入っていくというシーンが目立ちました。起点のポジションをもう少し中にとると、吉田が上がるスペースもでき、早めにボールをもらうことができたので、そういう動きでの攻撃を見てみたかったです。
そして、吉田。
実は、ゴールと吉田のシュートを打った位置との延長線上の席で見ていました。打った瞬間、やや外目からすーーーーーーーっとボールがまっすぐ向こう側に延びて、
「ぱさぁっ」
って決まった瞬間は、鳥肌が立ちました。値段の高い席に座って良かった(笑)
広島が両サイドにワイドにはっていて、中央に一旦ボールを渡して鳥栖のディフェンスが絞ったあとにサイドに渡していたので、磯崎、吉田が、1VS1を作られるシーンが多くありました。特に、磯崎はスピードのある相手だったので大変だったでしょうが、クロスをあげさせることなく、頑張って体を張って守っていました。両サイドバックの出来がこの試合の勝ちにつながったと思います。
小林、早坂、藤嶋なども含め、普段なかなか出番のない選手たちが、モチベーションを落とさずに戦った結果がこの勝ち点3だと思います。非常によい試合を見ることができました。
勝たないと予選突破が絶望的になってしまう状況で、なんとか勝ち点3を得ることができました。リーグ戦ではなかなか出番のない選手たちも、公式戦という場面で経験を積むことができ、非常によい勝ちだった思います。
序盤は押し込まれるシーンも多く、とくに、磯崎のサイドは1VS1になる場面も多くあって手をやいておりましたが、鳥栖が15分頃くらいにプレスにいく位置を上げてから、広島のパスミスを誘発することができ、すこしずつボール支配ができるようになりました。試合を通じて、全体的に一進一退という印象です。
山崎がトップにいたのですが、豊田の時と同じようにロングボールを彼に預けるのはちょっと酷でしたね。もっと足元に対してボールを入れてあげることができればよかったと思いますし、彼も、ボールを受けることのできる場所に顔を見せたり要求することができたらよかったかなと思います。
田村はスピードがあって非常によい選手だと思いました。遠い位置からのシュートも積極的でしたし、リーグでは、負けてる場面で投入するにはよいカンフル剤になりそうです。
鎌田は、ボランチのポジションで持ち前の攻撃のアイデアがやや身をひそめていた印象です。
守備で考える時間が多く、相手の動きに対してポジショニングを取るのが精いっぱいという風に見えました。また、2列目と一緒にプレスにいってしまって、ディフェンスラインの前のスペースを空けて前に出る事もあり、ただ、そこでボールを奪いきってしまえれば良いのですが、奪いきることができなくてピンチを招くこともありました。
攻撃の際にも引いてボールを受けるシーンが多くあったのですが、ゴールから遠い位置でもあり、奪われるとカウンターのピンチにもつながりますから、なかなか無理することもできず、無難なパス回しになってしまいました。
谷口が入ってから、1列前にあがったのですが、その位置でプレイさせた方が守備の負担も減りますし、よいプレイができていましたね。
そういう意味では、岡本が鎌田の動きをよくカバーしていたと思います。相手にボールを奪われたからのファーストディフェンス(目を摘むプレイ)も目立ちましたし、押し込んでいる場面ではポジションを上手にあげてセカンドボールを狙える位置にいました。
ペクソンドンは、ボールを持った時には小気味よいタッチでリズムを作ってくれていました。ただ、いかんせん、逆サイドのタッチライン際でボールを要求することが多く、逆サイドでボールが動いているときにもう少し中に入ってからボールを受けた方がよかったと思います。逆サイドへの展開でも広島がしっかりとスライドするので、ボールを受けた時にはすでに相手が対峙してしまって結果的に中に入っていくというシーンが目立ちました。起点のポジションをもう少し中にとると、吉田が上がるスペースもでき、早めにボールをもらうことができたので、そういう動きでの攻撃を見てみたかったです。
そして、吉田。
実は、ゴールと吉田のシュートを打った位置との延長線上の席で見ていました。打った瞬間、やや外目からすーーーーーーーっとボールがまっすぐ向こう側に延びて、
「ぱさぁっ」
って決まった瞬間は、鳥肌が立ちました。値段の高い席に座って良かった(笑)
広島が両サイドにワイドにはっていて、中央に一旦ボールを渡して鳥栖のディフェンスが絞ったあとにサイドに渡していたので、磯崎、吉田が、1VS1を作られるシーンが多くありました。特に、磯崎はスピードのある相手だったので大変だったでしょうが、クロスをあげさせることなく、頑張って体を張って守っていました。両サイドバックの出来がこの試合の勝ちにつながったと思います。
小林、早坂、藤嶋なども含め、普段なかなか出番のない選手たちが、モチベーションを落とさずに戦った結果がこの勝ち点3だと思います。非常によい試合を見ることができました。
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20:22
│Match Impression (2015)
2015年05月18日
名古屋 VS 鳥栖
名古屋戦を簡単に。
互いに、相手のミスや中盤でのカットからのカウンターなど、攻守切り替えの素早さが攻撃として機能していました。
鳥栖は水沼、キムミヌ、名古屋は川又、永井という、スピードと縦の突破が持ち味の選手を擁していたので、高い位置でボールを奪ってからの攻撃手法は、苦労することはなかったでしょう。
しかしながら、相手がリトリートして守備に構えてからの攻撃というのは、両チームともに苦労していたと思います。こぼれ球が運の良いところに来たとか、相手がクリアミス、トラップミスをしたという場面では、全体の押し上げの中でボールを支配することはできていましたが、ただ、それ以外の場面では、両チームともに崩しのアイデアと攻撃の共通意識がもう一歩足りなかったかなと思いました。失敗するとカウンターというしっぺ返しをくらうことが見えているので、若干攻撃しつつも「チャンスはピンチ」の考えがあったのかなとも思います。
特に、鳥栖の場合は、攻撃の最後は豊田もしくは豊田のシャドウというのはわかっているのですが、そこに至るまでの経緯に、工夫とアイデアと共通意識が欲しい状態でした。
例えば、18分15秒とか、水沼が非常に良いスプリントをしてるんですよ。カウンターの場面で、豊田がディフェンス2人を引き連れて中央から右サイドに走ったスペースに対して、水沼が猛然とスペースに走りこんでいるのです。でも、チームは彼を使わずに右サイドへの展開を行ってしまいました。カウンターにはいる前の全体の配置と水沼のスプリント力がチームとして意識されていると、彼を使うアイデアが生まれる場面だったのかもしれません。
また、その攻撃の流れの中で、18分35秒に池田の矢野の背後のスペースをつく、名古屋ディフェンスラインを横切るスプリントを行いました。しかし、池田も使われることなく、チームは右サイドのボールを展開しました。この攻撃は最終的には丹羽が遠い位置からの左足のミドルシュートで終わり、得点の可能性を感じないまま、終わってしまいました。この場面は、名古屋のディフェンスが池田の動きに対して、左サイド(名古屋の右サイド)へのスライドを意識していなかった場面なので、そのまま縦を使って欲しかったですね。
パスの選択肢として、縦へのパスよりも横へのパスの方が、意識が向いている気がします。相手チームは縦を切ろうとしますし、横への展開はボールを失わない安全な選択というのも理解はできます。ただ、前節でも書きましたが、縦に深い所へドリブルでも良いし、パスでも良いし、とにかく、少しでもゴールに近い位置へボールを運ばなければ得点の可能性は高まりません。どこでリスクをかけるのかというチームとしての共通意識をもっともっと深めていかなければならないと思います。
得点の場面の、鎌田のスルーパスは、縦を意識していたからこそ、あのパスが出せたのだと思います。安全なパスは、左サイドの選手へ展開することです。でも、相手にボールを取られるリスクはあっても、彼は、パス成功が即ち得点に直結するパスを選択しました。鎌田のすごかったところは、それをサイドの位置ではなく、中央でやったところですね。豊田は縦へのパスに反応もできるし、そのような意識を持ったストライカーだと思いますので、彼ら2人でゴールを取ることはこれからもできるでしょう。
しかしながら、鎌田を90分使うかというのは、別の問題です。中盤の役割として、守備もありますし、スプリントも必要ですし、90分の戦いの中で、鎌田も含めて、選手たちをどのような流れで使っていくかというのは、監督の腕の見せ所だと思います。
引き分け続きで閉塞感が漂っていたので、新しいタイプの選手が活躍しての勝利というのは、チームにとって単なる勝ち点3以上の価値がありましたね。
互いに、相手のミスや中盤でのカットからのカウンターなど、攻守切り替えの素早さが攻撃として機能していました。
鳥栖は水沼、キムミヌ、名古屋は川又、永井という、スピードと縦の突破が持ち味の選手を擁していたので、高い位置でボールを奪ってからの攻撃手法は、苦労することはなかったでしょう。
しかしながら、相手がリトリートして守備に構えてからの攻撃というのは、両チームともに苦労していたと思います。こぼれ球が運の良いところに来たとか、相手がクリアミス、トラップミスをしたという場面では、全体の押し上げの中でボールを支配することはできていましたが、ただ、それ以外の場面では、両チームともに崩しのアイデアと攻撃の共通意識がもう一歩足りなかったかなと思いました。失敗するとカウンターというしっぺ返しをくらうことが見えているので、若干攻撃しつつも「チャンスはピンチ」の考えがあったのかなとも思います。
特に、鳥栖の場合は、攻撃の最後は豊田もしくは豊田のシャドウというのはわかっているのですが、そこに至るまでの経緯に、工夫とアイデアと共通意識が欲しい状態でした。
例えば、18分15秒とか、水沼が非常に良いスプリントをしてるんですよ。カウンターの場面で、豊田がディフェンス2人を引き連れて中央から右サイドに走ったスペースに対して、水沼が猛然とスペースに走りこんでいるのです。でも、チームは彼を使わずに右サイドへの展開を行ってしまいました。カウンターにはいる前の全体の配置と水沼のスプリント力がチームとして意識されていると、彼を使うアイデアが生まれる場面だったのかもしれません。
また、その攻撃の流れの中で、18分35秒に池田の矢野の背後のスペースをつく、名古屋ディフェンスラインを横切るスプリントを行いました。しかし、池田も使われることなく、チームは右サイドのボールを展開しました。この攻撃は最終的には丹羽が遠い位置からの左足のミドルシュートで終わり、得点の可能性を感じないまま、終わってしまいました。この場面は、名古屋のディフェンスが池田の動きに対して、左サイド(名古屋の右サイド)へのスライドを意識していなかった場面なので、そのまま縦を使って欲しかったですね。
パスの選択肢として、縦へのパスよりも横へのパスの方が、意識が向いている気がします。相手チームは縦を切ろうとしますし、横への展開はボールを失わない安全な選択というのも理解はできます。ただ、前節でも書きましたが、縦に深い所へドリブルでも良いし、パスでも良いし、とにかく、少しでもゴールに近い位置へボールを運ばなければ得点の可能性は高まりません。どこでリスクをかけるのかというチームとしての共通意識をもっともっと深めていかなければならないと思います。
得点の場面の、鎌田のスルーパスは、縦を意識していたからこそ、あのパスが出せたのだと思います。安全なパスは、左サイドの選手へ展開することです。でも、相手にボールを取られるリスクはあっても、彼は、パス成功が即ち得点に直結するパスを選択しました。鎌田のすごかったところは、それをサイドの位置ではなく、中央でやったところですね。豊田は縦へのパスに反応もできるし、そのような意識を持ったストライカーだと思いますので、彼ら2人でゴールを取ることはこれからもできるでしょう。
しかしながら、鎌田を90分使うかというのは、別の問題です。中盤の役割として、守備もありますし、スプリントも必要ですし、90分の戦いの中で、鎌田も含めて、選手たちをどのような流れで使っていくかというのは、監督の腕の見せ所だと思います。
引き分け続きで閉塞感が漂っていたので、新しいタイプの選手が活躍しての勝利というのは、チームにとって単なる勝ち点3以上の価値がありましたね。
Posted by オオタニ at
20:33
│Match Impression (2015)
2015年05月11日
鳥栖 VS 松本
松本山雅戦。ホーム無敗記録は途絶えなかったものの、神戸戦、清水戦と同じく、勝てそうで勝てない試合という印象が強かったですね。
まず、試合の入り方としては、明らかに松本の方が良い入り方をしてました。松本の方が鳥栖の中盤に対するプレッシャーも早く、高い位置でボールを奪ってからの展開を素早く攻撃につなげるという意図が見えました。前半風上にたったということもあって、早めに点を奪いたいという意識もあったかもしれません。
鳥栖は、ボールを奪っても松本のプレスが強くて思うような形でボールを配給することができていませんでした。難しい状態(プレスを受けている・スペースがない・味方の動きがない)での攻撃となり、生命線である豊田への配球の精度を上げることができず、セカンドボールをいい形で拾って次の形を作ることがなかなかできませんでした。松本の飯田が思いのほか空中戦で豊田に競り勝っていたことも、鳥栖にとっては形を作れない要因だったかと思います。
しかしながら、松本も、開始直後から選手たちのランニング量が多く、若干ハイペースでの入り方であったため、前半30分ごろから、徐々に鳥栖に対するプレスのスピードが落ちてきます。前線がプレッシャーをかけても、2列目と3列目の押し上げがついていかずに、徐々に低い位置で構えるようになってきました。そうすると、中盤の空いたスペースを利用して、藤田が前を向いてボールをさばける動きや、池田が中央でボールを呼び込むような動きがでてくるようになり、必然的にボールポゼションがあがって、押し込むような形になってきました。
ところが、松本の守備陣の意識というのは非常に統率されていまして、前線からのプレッシャーができなくなるとわかると、コンパクトな陣形のまま、自分たちのラインを下げて構えるようにしたため、中盤で藤田や池田がボールを保持はできるものの、中央からラストパスを狙えるような隙は作ってくれませんでした。印象に残ったのは、ミドルシュートが狙える位置まではいってくると、鳥栖の選手に自由に打たせないようにしっかりとマークがついていたところです。
鳥栖も、ボールポジションは上がってきたのですが、松本の中央が堅くて崩しを狙えないので、藤田を起点に左右に展開して機を伺うものの、なかなか深い位置まで崩してクロスを上げるような動きができませんでした。この試合の一番残念なところは、ハーフとサイドバックの選手が、互いのポジションの意図を組んで攻撃を組み立てることができなかったところです。ポイントとしては2点。
① ハーフの選手たちのランニングを周りの選手が生かせてなかった。
水沼やキムミヌがサイドに張っている状態から、中央へと絞る動きで相手のDFを連れて行く動きを繰り返していましたが、その水沼が作ったスペースに対して、サイドバックの選手やボランチの選手がうまくスペースをつかえていませんでした。吉田、丹羽、池田、白などが思い切って走りこんでスペースを使おうとする動きができれば、いい形でボールを受けてからのクロスという攻撃もできたでしょうし、クロスを上げられなくても相手のディフェンスをサイドに引き寄せることができれば、中央に戻してからの崩しなどのバリエーションが作れたかもしれません。とにかく、ハーフの選手が作ってくれたスペースを利用しないのはもったいなかったですね。
② ハーフの選手たちが縦に入ろうとする動き、縦を崩そうとする動きが少なかった。
①と若干相反するのですが、キムミヌ、水沼も、中央へしぼる動きが多く、外でボールを受けて、そのままサイドバックが追い越すまでボールをためるという形を作ることがなかなかできませんでした。松本がサイドチェンジに対しても非常によい動きでスライドを見せていたため、サイドを起点に縦に攻撃をしかけるのも簡単ではなかったかと思いますが、仕掛けをあきらめることにより、クロスの位置が低い場所から上がることが多くなり、なかなか決定的なチャンスに繋がりませんでした。
ちょっと恨み節が長くなりました(笑)
次節以降の鳥栖の攻撃パターンとして期待するのは、
1.フリックやワンツーを利用して、トップ下、ハーフ、ボランチ、サイドバックでサイドを縦に突破するパターンを確立する。
2.サイドで1VS1の状況が作れたら、必ず仕掛けるという意識を持つ。
⇒チーム全体として仕掛けに失敗した際のリスクマネジメントをしっかりともつ。
1は、相手の動きが堅いときには、崩せる要素としては、相手のプレスが追い付かないほどの早い攻撃しかありません。鎌田のシュートはノートラップで打てたからこそ決まったのです。彼がトラップしていたら、シュートコースを瞬く間に消されてしまってゴールは決まらなかったでしょう。鳥栖の中盤はあまりフリックを使いたがりませんが、池田がボールを受けてサイドにフリックではたく方がよい攻撃に繋がる場面もあります。練習の中でいろいろと試してみて、中盤のコンビネーションの質を上げていってほしいですね。
2は、横パスで相手のほころびを探していましたが、松本の守備にほころびがなかなかできなかったので、どこかで強引にしかける必要がありました。その仕掛けというリスクを負う選手が明確でなかったならば、監督が指示を出して仕掛けるタイミングと仕掛けるメンバーを明確にしてやることも、守備が堅いチームが相手のときは必要なのかなと思います。浅い位置からのクロスであれば、相手のディフェンスラインはゴールラインよりも前で構えることができます。しかしながら、深い位置(ゴールライン際)からのクロスであれば、相手のディフェンスラインは、ゴールエリアの中で構えることになります。たとえクリアされても、こぼれ球を拾って前を向く位置が、アーリークロスを上げる時よりも前になるので、パス・シュートの選択肢も増え、ゴールへの可能性が広がります。無論、深い位置からのクロスであれば、豊田が競り勝ってそのままゴールできる可能性も高まります。チームとして、勇気をもって個人突破を試みる意識と周りのフォローの環境を作ってほしいなと思います。10回止められても、1回ぶちぬいてゴールを決めてくれたら、それまで止められたのは全部チャラですからね。
まず、試合の入り方としては、明らかに松本の方が良い入り方をしてました。松本の方が鳥栖の中盤に対するプレッシャーも早く、高い位置でボールを奪ってからの展開を素早く攻撃につなげるという意図が見えました。前半風上にたったということもあって、早めに点を奪いたいという意識もあったかもしれません。
鳥栖は、ボールを奪っても松本のプレスが強くて思うような形でボールを配給することができていませんでした。難しい状態(プレスを受けている・スペースがない・味方の動きがない)での攻撃となり、生命線である豊田への配球の精度を上げることができず、セカンドボールをいい形で拾って次の形を作ることがなかなかできませんでした。松本の飯田が思いのほか空中戦で豊田に競り勝っていたことも、鳥栖にとっては形を作れない要因だったかと思います。
しかしながら、松本も、開始直後から選手たちのランニング量が多く、若干ハイペースでの入り方であったため、前半30分ごろから、徐々に鳥栖に対するプレスのスピードが落ちてきます。前線がプレッシャーをかけても、2列目と3列目の押し上げがついていかずに、徐々に低い位置で構えるようになってきました。そうすると、中盤の空いたスペースを利用して、藤田が前を向いてボールをさばける動きや、池田が中央でボールを呼び込むような動きがでてくるようになり、必然的にボールポゼションがあがって、押し込むような形になってきました。
ところが、松本の守備陣の意識というのは非常に統率されていまして、前線からのプレッシャーができなくなるとわかると、コンパクトな陣形のまま、自分たちのラインを下げて構えるようにしたため、中盤で藤田や池田がボールを保持はできるものの、中央からラストパスを狙えるような隙は作ってくれませんでした。印象に残ったのは、ミドルシュートが狙える位置まではいってくると、鳥栖の選手に自由に打たせないようにしっかりとマークがついていたところです。
鳥栖も、ボールポジションは上がってきたのですが、松本の中央が堅くて崩しを狙えないので、藤田を起点に左右に展開して機を伺うものの、なかなか深い位置まで崩してクロスを上げるような動きができませんでした。この試合の一番残念なところは、ハーフとサイドバックの選手が、互いのポジションの意図を組んで攻撃を組み立てることができなかったところです。ポイントとしては2点。
① ハーフの選手たちのランニングを周りの選手が生かせてなかった。
水沼やキムミヌがサイドに張っている状態から、中央へと絞る動きで相手のDFを連れて行く動きを繰り返していましたが、その水沼が作ったスペースに対して、サイドバックの選手やボランチの選手がうまくスペースをつかえていませんでした。吉田、丹羽、池田、白などが思い切って走りこんでスペースを使おうとする動きができれば、いい形でボールを受けてからのクロスという攻撃もできたでしょうし、クロスを上げられなくても相手のディフェンスをサイドに引き寄せることができれば、中央に戻してからの崩しなどのバリエーションが作れたかもしれません。とにかく、ハーフの選手が作ってくれたスペースを利用しないのはもったいなかったですね。
② ハーフの選手たちが縦に入ろうとする動き、縦を崩そうとする動きが少なかった。
①と若干相反するのですが、キムミヌ、水沼も、中央へしぼる動きが多く、外でボールを受けて、そのままサイドバックが追い越すまでボールをためるという形を作ることがなかなかできませんでした。松本がサイドチェンジに対しても非常によい動きでスライドを見せていたため、サイドを起点に縦に攻撃をしかけるのも簡単ではなかったかと思いますが、仕掛けをあきらめることにより、クロスの位置が低い場所から上がることが多くなり、なかなか決定的なチャンスに繋がりませんでした。
ちょっと恨み節が長くなりました(笑)
次節以降の鳥栖の攻撃パターンとして期待するのは、
1.フリックやワンツーを利用して、トップ下、ハーフ、ボランチ、サイドバックでサイドを縦に突破するパターンを確立する。
2.サイドで1VS1の状況が作れたら、必ず仕掛けるという意識を持つ。
⇒チーム全体として仕掛けに失敗した際のリスクマネジメントをしっかりともつ。
1は、相手の動きが堅いときには、崩せる要素としては、相手のプレスが追い付かないほどの早い攻撃しかありません。鎌田のシュートはノートラップで打てたからこそ決まったのです。彼がトラップしていたら、シュートコースを瞬く間に消されてしまってゴールは決まらなかったでしょう。鳥栖の中盤はあまりフリックを使いたがりませんが、池田がボールを受けてサイドにフリックではたく方がよい攻撃に繋がる場面もあります。練習の中でいろいろと試してみて、中盤のコンビネーションの質を上げていってほしいですね。
2は、横パスで相手のほころびを探していましたが、松本の守備にほころびがなかなかできなかったので、どこかで強引にしかける必要がありました。その仕掛けというリスクを負う選手が明確でなかったならば、監督が指示を出して仕掛けるタイミングと仕掛けるメンバーを明確にしてやることも、守備が堅いチームが相手のときは必要なのかなと思います。浅い位置からのクロスであれば、相手のディフェンスラインはゴールラインよりも前で構えることができます。しかしながら、深い位置(ゴールライン際)からのクロスであれば、相手のディフェンスラインは、ゴールエリアの中で構えることになります。たとえクリアされても、こぼれ球を拾って前を向く位置が、アーリークロスを上げる時よりも前になるので、パス・シュートの選択肢も増え、ゴールへの可能性が広がります。無論、深い位置からのクロスであれば、豊田が競り勝ってそのままゴールできる可能性も高まります。チームとして、勇気をもって個人突破を試みる意識と周りのフォローの環境を作ってほしいなと思います。10回止められても、1回ぶちぬいてゴールを決めてくれたら、それまで止められたのは全部チャラですからね。
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21:17
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2015年05月08日
清水 VS 鳥栖
清水戦は引き分けに終わりました。清水の出来云々というよりは、清水がやりたい事に対しての鳥栖の対応のまずさから失点を生んだ試合であり、そう考えると、引き分けでよかったという試合だったかもしれません。
清水の攻撃のパターンとしては、ビルドアップの際に、センターバックからワイドの選手(枝村、デューク)にボールを配給し、サイドに起点を作るところからスタートします。よって、中盤のラインとディフェンスのラインの間のスペースにパスを通されてしまったときは清水の攻撃のスイッチがはいり、鳥栖にとってのピンチとなります。実際に、失点はすべてサイドから中盤の裏を使われることによって引き起こされました。同じパターンで2度やられたのは、ちょっといただけなかったですね。
今回、2失点のポイントとなったのは、キムミヌのポジショニングです。攻撃を念頭に置くと、サイドの選手(キムミヌ、水沼)が守備の際にも高い位置にポジショニングを取っていることは、決して悪いことではありません。専守防衛になってしまうと、ボールのつなぎどころ、前への運びどころがなくなってしまうので、せっかくボールを奪っても、単調なクリアとなってしまい、攻撃が手詰まりになってしまいます。枝村、デュークとの主導権争いの中で前目のポジショニングを取ろうとしていたのだと思います。
しかしながら、失点のリスクをとってでも攻めたかったという場面でもなく、失点は双方とも同点の場面から発生しているので、アウェーであるという点と、まだ早い時間帯であるということを考えると、彼らがそこまで無理して高い位置を取る必要があったのかなとは思います。攻めることに対してのメリットはあり、枝村の裏をついてよい攻めを続けていた時間帯もあったのですが、打ち合いを挑むよりはちょっと試合を落ち着かせる選択肢もあったのかなと感じました。
1失点目ですが、キムミヌが右サイドのポジショニングしていたのですが、藤田、義希のラインよりも高い位置にポジショニングをとっています。10分30秒の時点でセンターバックからデュークへのパスが通るのですが、そのとき、水沼もキムミヌも高いポジションを取っているので、デューク、枝村が鳥栖の中盤の選手の背後にポジショニングを取ることになります。本来は、彼らへのパスを防ぐようにケアしなければならないのですが、あっさりと通してしまうことが今回の失点のポイントでした。
この場面に限らず両サイドのワイドの選手を経由するという清水の攻撃の特性を考えると、キムミヌも、水沼も、ボランチと同じラインまで下がっておいた方が、ピンチを招く機会が減ったのかなと思います。そのポジションを取ることによって、ディフェンスラインと中盤との距離感を詰めることができ、サイドにパスがでてからの対応ができたのではないかと考えます。
ただ、1失点目については、キムミヌだけの問題でもなく、池田がセンターバックへの詰めが甘くて、簡単にパスを出させてしまったというのも問題ですし、丹羽の軽いスライディングも問題ですし、赤星がクロスボールに触れなかったのも問題です。ミスや力量不足が重なって発生した失点ではあるのですが、ポジショニングの取り方と、意識の持ち方で防げた失点ではないかと考えます。
実は、2失点目の方が大きな問題でありまして。相手のセンターバックがビルドアップに向けてボールを保持しているとき、清水の陣地には6人の鳥栖の選手がはいっています。そして、キムミヌが1列前に上がって、ボール保持者に対してプレスに行きますが、センターバックが切り返すと、あっさりとボールを追うのをやめて、自分のポジションに戻る動きをみせます。この時、センターバックの前に、豊田、キムミヌ、白といるのですが、全体が有機的に清水の攻撃を阻止しようという動きではなく、みんなビルドアップを見ている状態でした。
この中途半端なプレスが清水に大きなチャンスを与えるきっかけでありまして、60分40秒で、右サイドの河井へのパスがでるのですが、人数をかけて前からプレスに行くか、リトリートして相手のパスの供給先を狙ってボールを奪いに行くのか、そのあたりの意思の疎通が前線、中盤、最終ラインとができていなかったことが、清水のセンターバックが前を向いて自由にパスを出せる時間と空間を作ってしまい、そして、鳥栖の中盤の裏で待ち構える清水の両サイドの選手に自由を与えてしまったのです。
1失点目と同じように、センターバックから今度は右サイドの河井にボールが配給され、簡単に、中盤の後ろのスペースで前を向いて攻撃のスイッチを入れる機会を作られてしまいました。右サイドの河井がボールを受けて前を向いた瞬間に、鳥栖の4人のディフェンスラインに対して、清水は3人の選手が背後を狙う動きをします。完全にスピード勝負です。こうなってしまうと、既にトップスピードに入ろうとしていた大前に軍配があがるのは、火を見るより明らかでした。1失点目と同じような形で失点(実際はPKですが)してしまいました。
ちなみに、このシーンは、大前からの折り返しにうまく合わせたウタカがゴールを決めたのですが、その前にキムミンヒョクの手に当たっていたので、PKの判定になりました。おそらく、クロスが上がって手に当たった瞬間にレフェリーは笛を吹いていたのだと思います。アドバンテージで流すのではなく、笛を吹いてプレイを止めていたのであれば、その後でどんなに攻撃側に有利なプレイがされたところで、笛を吹いた時点でのセットプレイになるはずです。よって、「手に当たった瞬間に既に笛を吹いていた」という前提ですが、今回の件は、誤審とかいう類のものではないのかなと思います。
この試合、清水に同じパターンでやられてしまったのは反省するべきところでしょう。サイドにボールを預け、そこから縦に速いボールを入れて、サイドの背後をついて深い位置からのクロスで仕上げる。前半にこのパターンでやられているので、後半は修正する必要がありました。特に、ハーフタイムには、守勢に回ったときの、水沼、キムミヌ、池田(白)のポジショニングの修正の指示が必要であったかと思いますが、果たしてどうだったのでしょうか。
清水の攻撃のパターンとしては、ビルドアップの際に、センターバックからワイドの選手(枝村、デューク)にボールを配給し、サイドに起点を作るところからスタートします。よって、中盤のラインとディフェンスのラインの間のスペースにパスを通されてしまったときは清水の攻撃のスイッチがはいり、鳥栖にとってのピンチとなります。実際に、失点はすべてサイドから中盤の裏を使われることによって引き起こされました。同じパターンで2度やられたのは、ちょっといただけなかったですね。
今回、2失点のポイントとなったのは、キムミヌのポジショニングです。攻撃を念頭に置くと、サイドの選手(キムミヌ、水沼)が守備の際にも高い位置にポジショニングを取っていることは、決して悪いことではありません。専守防衛になってしまうと、ボールのつなぎどころ、前への運びどころがなくなってしまうので、せっかくボールを奪っても、単調なクリアとなってしまい、攻撃が手詰まりになってしまいます。枝村、デュークとの主導権争いの中で前目のポジショニングを取ろうとしていたのだと思います。
しかしながら、失点のリスクをとってでも攻めたかったという場面でもなく、失点は双方とも同点の場面から発生しているので、アウェーであるという点と、まだ早い時間帯であるということを考えると、彼らがそこまで無理して高い位置を取る必要があったのかなとは思います。攻めることに対してのメリットはあり、枝村の裏をついてよい攻めを続けていた時間帯もあったのですが、打ち合いを挑むよりはちょっと試合を落ち着かせる選択肢もあったのかなと感じました。
1失点目ですが、キムミヌが右サイドのポジショニングしていたのですが、藤田、義希のラインよりも高い位置にポジショニングをとっています。10分30秒の時点でセンターバックからデュークへのパスが通るのですが、そのとき、水沼もキムミヌも高いポジションを取っているので、デューク、枝村が鳥栖の中盤の選手の背後にポジショニングを取ることになります。本来は、彼らへのパスを防ぐようにケアしなければならないのですが、あっさりと通してしまうことが今回の失点のポイントでした。
この場面に限らず両サイドのワイドの選手を経由するという清水の攻撃の特性を考えると、キムミヌも、水沼も、ボランチと同じラインまで下がっておいた方が、ピンチを招く機会が減ったのかなと思います。そのポジションを取ることによって、ディフェンスラインと中盤との距離感を詰めることができ、サイドにパスがでてからの対応ができたのではないかと考えます。
ただ、1失点目については、キムミヌだけの問題でもなく、池田がセンターバックへの詰めが甘くて、簡単にパスを出させてしまったというのも問題ですし、丹羽の軽いスライディングも問題ですし、赤星がクロスボールに触れなかったのも問題です。ミスや力量不足が重なって発生した失点ではあるのですが、ポジショニングの取り方と、意識の持ち方で防げた失点ではないかと考えます。
実は、2失点目の方が大きな問題でありまして。相手のセンターバックがビルドアップに向けてボールを保持しているとき、清水の陣地には6人の鳥栖の選手がはいっています。そして、キムミヌが1列前に上がって、ボール保持者に対してプレスに行きますが、センターバックが切り返すと、あっさりとボールを追うのをやめて、自分のポジションに戻る動きをみせます。この時、センターバックの前に、豊田、キムミヌ、白といるのですが、全体が有機的に清水の攻撃を阻止しようという動きではなく、みんなビルドアップを見ている状態でした。
この中途半端なプレスが清水に大きなチャンスを与えるきっかけでありまして、60分40秒で、右サイドの河井へのパスがでるのですが、人数をかけて前からプレスに行くか、リトリートして相手のパスの供給先を狙ってボールを奪いに行くのか、そのあたりの意思の疎通が前線、中盤、最終ラインとができていなかったことが、清水のセンターバックが前を向いて自由にパスを出せる時間と空間を作ってしまい、そして、鳥栖の中盤の裏で待ち構える清水の両サイドの選手に自由を与えてしまったのです。
1失点目と同じように、センターバックから今度は右サイドの河井にボールが配給され、簡単に、中盤の後ろのスペースで前を向いて攻撃のスイッチを入れる機会を作られてしまいました。右サイドの河井がボールを受けて前を向いた瞬間に、鳥栖の4人のディフェンスラインに対して、清水は3人の選手が背後を狙う動きをします。完全にスピード勝負です。こうなってしまうと、既にトップスピードに入ろうとしていた大前に軍配があがるのは、火を見るより明らかでした。1失点目と同じような形で失点(実際はPKですが)してしまいました。
ちなみに、このシーンは、大前からの折り返しにうまく合わせたウタカがゴールを決めたのですが、その前にキムミンヒョクの手に当たっていたので、PKの判定になりました。おそらく、クロスが上がって手に当たった瞬間にレフェリーは笛を吹いていたのだと思います。アドバンテージで流すのではなく、笛を吹いてプレイを止めていたのであれば、その後でどんなに攻撃側に有利なプレイがされたところで、笛を吹いた時点でのセットプレイになるはずです。よって、「手に当たった瞬間に既に笛を吹いていた」という前提ですが、今回の件は、誤審とかいう類のものではないのかなと思います。
この試合、清水に同じパターンでやられてしまったのは反省するべきところでしょう。サイドにボールを預け、そこから縦に速いボールを入れて、サイドの背後をついて深い位置からのクロスで仕上げる。前半にこのパターンでやられているので、後半は修正する必要がありました。特に、ハーフタイムには、守勢に回ったときの、水沼、キムミヌ、池田(白)のポジショニングの修正の指示が必要であったかと思いますが、果たしてどうだったのでしょうか。
Posted by オオタニ at
09:35
│Match Impression (2015)