2017年03月09日
2017 第2節 : 川崎フロンターレVSサガン鳥栖
開幕戦を黒星スタートとなってしまったサガン鳥栖。第2節はアウェーで強敵川崎フロンターレとの対戦でした。まだまだお互いにチームとして成熟していない中での戦いで、勝利がどちらに転んでもおかしくない試合でしたが、互いに攻め合った結果、決定打を放つことが出来ずに試合終了となりました。鳥栖としては、アウェー川崎での勝ち点1は、良い結果だったと思います。
■ 試合の流れ
試合開始当初から、両チームとも相手の守備がずれているポイントをついて攻撃を繰り出すような状況でした。川崎の先制点は、鳥栖のミスから生まれたものでありましたが、やはり、小林の動きは突出していて、裏へ抜ける動き出し(ゴールに直結するための動き出し)は、両チームの中でも一番際立っていました。
しかしながら、大塚や阿部のところを使って、いいところまでボールが入るのですが、トラップミスや判断ミスによって、うまく好機を演出することができないシーンも多く、後半にハイネルが入ってから、ボールロストの回数が減ってリズムがでてきたのですが、ポジションの取り方としてやや後ろで受けることが多く、小林とのコンビネーションで決定的チャンスを何度も演出……というシーンを作り出せませんでした。
鳥栖の攻撃は、長短のパスを織り交ぜながら、何回か良いシーンを作ることができていました。思いのほか簡単に川崎のディフェンスラインの裏をつけることができていたと思います。同点ゴールも、きっかけは鎌田が最終ラインの裏に侵入したところからスタートしていますし、左サイドの裏に抜けた豊田の左足のシュートというシーンもありましたし、惜しいシーンは何度もありましたが、2点目を取るまでには至りませんでした。
全体的に、新チームになったばかりということで、攻撃も守備もコンビネーションにちらほらとずれが見え隠れしている状態であり、また、選手個々のコンディションも完全に上がっていない選手がいる状況の試合(特に川崎はACLもあり)でしたので、引き分けと言う結果は妥当なのかなと思いました。
■ 発展途上の守備構築
選手が入れ替わったことによる守備組織の再構築というのはよく聞く話です。選手が入れ替わるという事は、当然ながら能力が異なるメンバーが試合に入るということであり、その個性に合わせた組織の見直しというのが必要になります。チームというものは、組織戦術だけ変えれば…、選手だけ変えれば…という簡単ものではないので、構築には一定の期間がかかる覚悟が必要です。
今回は、23分によいシーンがあったので振り返ります。図は、川崎が、左サイドのスローインから始まって、サイドチェンジで右サイドまでボールを持ってきたところです。右サイドにいる田坂と阿部で組み立てているのですが、ボールが一旦中央に戻ったところで、義希がプレスを始めます。鳥栖としては、そこでハメていこうという合図です。義希がボール保持者にプレスすることによって、次のプレイの選択肢を狭めることができるのですが、それを察知した動きを原川ができていません。本来は、義希の動きに連動して、右サイドにいる田坂へのプレッシャーをかけたいところですが、タイミングがずれたことにより、相手との間が空きすぎて、慌ててプレスにいってもかわされてしまい、小林への縦パスを狙われてしまいます。鳥栖のディフェンスラインが整っており、全体を押し上げてオフサイドを取れたことによって、事なきを得たのですが、田坂が持ち替えなければ動き出し、パスのタイミングによっては決定的ピンチを迎えるようなシーンでしたので、なるべくならばパスの出所を抑えたいシーンでありますし、抑えることが可能であったシーンだと思います。





また、同じように、プレスをするタイミングとスペースを埋めるタイミングの意識がずれたことによって、生じてしまった縦パスのシーンがあったのですが、27分を例に出しますと、これも川崎が左サイドから右サイドに展開している場面です。原川は、しきりに、阿部のことを気にしながら自分のポジションを取っています。しかしながら、阿部に関しては、吉田が応対できる状況であり、また、原川のスペースに入られた際のケアも義希が埋める準備はあるので、自分に対峙している田坂に対するアクションを取って、チーム全体としてハメにいこうというスイッチを入れてもよいかなという状況です。
しかしながら、原川は、ポジショニングを取ることに一生懸命で、自ら能動的にアクションを取ることができておらず、ボールの動き、相手の動きに対応するアクションがとれなかった結果、相手に対するプレッシャーもかからず、パスコースを消すこともできずに、大塚への縦パスを許してしまうことになります。これも、大塚のトラップミスによって事なきを得ましたが、トラップで反転して前を向かれたり、フリックで流されたりすると決定的ピンチを迎えかねない状況でした。

今回は、たまたま原川の動きを例に使いましたが、チームとしてこのような動きのずれによってラストパスを狙われるようなシーンは極力減らさなければなりません。昨年度は、鳥栖の守備構築に半年かかりましたので、新しく入った選手がチームとしての動きをすぐに理解できるわけではないのですが、前線からの組織的な守備というのは、鳥栖が上位に進出するにあたっての絶対条件であるので、少しでも早く全体の戦術理解度を向上してほしいですね。
■ 鎌田のスペースを狙う動き
攻撃面では、この試合で光ったのは、鎌田のディフェンスラインの裏を狙う動きでした。
24分のシーンは連動して崩せた良いシーンでした。左サイドを縦パスで前線までボールを送り込み、空いたスペースを狙って起点を作って裏のスペースに抜けるという、チームとしての動きが統率された非常に良い攻撃だったと思います。




31分のシーンでは、左サイドの富山がボールを受け、田坂がマークについたところのスペースを狙って鎌田が走り込みを見せます。ちなみに、このシーンは、富山のパスが遅れ、その後豊田も同じスペースを狙ってパスを要求しますが、富山はバックパスを選択。開幕戦でのレポートでも指摘しましたが、ゲームメイクするフォワードとしては、ここは前への展開でチャンスを作ってほしかったところです。状況の気づき・判断・そしてパスの技術力という事を考えると、小野がこのポジションに入るという選択肢も見てみたい気もします。


そして、33分の同点ゴールの前のシーンでも、川崎の中盤(エドゥアルド・ネット?)がリスタートからの早い展開で右サイドに起点を作る鳥栖のパスに対して寄せきれず、登里がボール保持者に寄せていったスペースに対して鎌田が狙って走りこんでいます。そして、縦パスを受けた鎌田のクロスをキーパーがはじいたところで、義希のビューティフルゴールが生まれました。


■ まとめ
正直、川崎の守備は緩い場面が多く、スペースを空けてくれる機会も多かったので、チャンスメイキングには苦労していなかった感じです。でも、川崎も最後の中央のところはしっかりしていましたので、鳥栖も勝ち越し点を挙げるところまでには行きませんでした。
また、川崎も攻撃に選手をさいているので、鳥栖としても全体を押し上げて攻撃でイケイケとまではなりきれませんでした。
川崎も、鳥栖も、良いところまでは侵入して行くのですが、最後のシュートシーンまではなかなか繋げることができず、フィニッシュをどのような形で迎えるかというのは、互いに大きな課題が残った試合だと思います。
<画像引用元:DAZN>
■ 試合の流れ
試合開始当初から、両チームとも相手の守備がずれているポイントをついて攻撃を繰り出すような状況でした。川崎の先制点は、鳥栖のミスから生まれたものでありましたが、やはり、小林の動きは突出していて、裏へ抜ける動き出し(ゴールに直結するための動き出し)は、両チームの中でも一番際立っていました。
しかしながら、大塚や阿部のところを使って、いいところまでボールが入るのですが、トラップミスや判断ミスによって、うまく好機を演出することができないシーンも多く、後半にハイネルが入ってから、ボールロストの回数が減ってリズムがでてきたのですが、ポジションの取り方としてやや後ろで受けることが多く、小林とのコンビネーションで決定的チャンスを何度も演出……というシーンを作り出せませんでした。
鳥栖の攻撃は、長短のパスを織り交ぜながら、何回か良いシーンを作ることができていました。思いのほか簡単に川崎のディフェンスラインの裏をつけることができていたと思います。同点ゴールも、きっかけは鎌田が最終ラインの裏に侵入したところからスタートしていますし、左サイドの裏に抜けた豊田の左足のシュートというシーンもありましたし、惜しいシーンは何度もありましたが、2点目を取るまでには至りませんでした。
全体的に、新チームになったばかりということで、攻撃も守備もコンビネーションにちらほらとずれが見え隠れしている状態であり、また、選手個々のコンディションも完全に上がっていない選手がいる状況の試合(特に川崎はACLもあり)でしたので、引き分けと言う結果は妥当なのかなと思いました。
■ 発展途上の守備構築
選手が入れ替わったことによる守備組織の再構築というのはよく聞く話です。選手が入れ替わるという事は、当然ながら能力が異なるメンバーが試合に入るということであり、その個性に合わせた組織の見直しというのが必要になります。チームというものは、組織戦術だけ変えれば…、選手だけ変えれば…という簡単ものではないので、構築には一定の期間がかかる覚悟が必要です。
今回は、23分によいシーンがあったので振り返ります。図は、川崎が、左サイドのスローインから始まって、サイドチェンジで右サイドまでボールを持ってきたところです。右サイドにいる田坂と阿部で組み立てているのですが、ボールが一旦中央に戻ったところで、義希がプレスを始めます。鳥栖としては、そこでハメていこうという合図です。義希がボール保持者にプレスすることによって、次のプレイの選択肢を狭めることができるのですが、それを察知した動きを原川ができていません。本来は、義希の動きに連動して、右サイドにいる田坂へのプレッシャーをかけたいところですが、タイミングがずれたことにより、相手との間が空きすぎて、慌ててプレスにいってもかわされてしまい、小林への縦パスを狙われてしまいます。鳥栖のディフェンスラインが整っており、全体を押し上げてオフサイドを取れたことによって、事なきを得たのですが、田坂が持ち替えなければ動き出し、パスのタイミングによっては決定的ピンチを迎えるようなシーンでしたので、なるべくならばパスの出所を抑えたいシーンでありますし、抑えることが可能であったシーンだと思います。





また、同じように、プレスをするタイミングとスペースを埋めるタイミングの意識がずれたことによって、生じてしまった縦パスのシーンがあったのですが、27分を例に出しますと、これも川崎が左サイドから右サイドに展開している場面です。原川は、しきりに、阿部のことを気にしながら自分のポジションを取っています。しかしながら、阿部に関しては、吉田が応対できる状況であり、また、原川のスペースに入られた際のケアも義希が埋める準備はあるので、自分に対峙している田坂に対するアクションを取って、チーム全体としてハメにいこうというスイッチを入れてもよいかなという状況です。
しかしながら、原川は、ポジショニングを取ることに一生懸命で、自ら能動的にアクションを取ることができておらず、ボールの動き、相手の動きに対応するアクションがとれなかった結果、相手に対するプレッシャーもかからず、パスコースを消すこともできずに、大塚への縦パスを許してしまうことになります。これも、大塚のトラップミスによって事なきを得ましたが、トラップで反転して前を向かれたり、フリックで流されたりすると決定的ピンチを迎えかねない状況でした。

今回は、たまたま原川の動きを例に使いましたが、チームとしてこのような動きのずれによってラストパスを狙われるようなシーンは極力減らさなければなりません。昨年度は、鳥栖の守備構築に半年かかりましたので、新しく入った選手がチームとしての動きをすぐに理解できるわけではないのですが、前線からの組織的な守備というのは、鳥栖が上位に進出するにあたっての絶対条件であるので、少しでも早く全体の戦術理解度を向上してほしいですね。
■ 鎌田のスペースを狙う動き
攻撃面では、この試合で光ったのは、鎌田のディフェンスラインの裏を狙う動きでした。
24分のシーンは連動して崩せた良いシーンでした。左サイドを縦パスで前線までボールを送り込み、空いたスペースを狙って起点を作って裏のスペースに抜けるという、チームとしての動きが統率された非常に良い攻撃だったと思います。




31分のシーンでは、左サイドの富山がボールを受け、田坂がマークについたところのスペースを狙って鎌田が走り込みを見せます。ちなみに、このシーンは、富山のパスが遅れ、その後豊田も同じスペースを狙ってパスを要求しますが、富山はバックパスを選択。開幕戦でのレポートでも指摘しましたが、ゲームメイクするフォワードとしては、ここは前への展開でチャンスを作ってほしかったところです。状況の気づき・判断・そしてパスの技術力という事を考えると、小野がこのポジションに入るという選択肢も見てみたい気もします。


そして、33分の同点ゴールの前のシーンでも、川崎の中盤(エドゥアルド・ネット?)がリスタートからの早い展開で右サイドに起点を作る鳥栖のパスに対して寄せきれず、登里がボール保持者に寄せていったスペースに対して鎌田が狙って走りこんでいます。そして、縦パスを受けた鎌田のクロスをキーパーがはじいたところで、義希のビューティフルゴールが生まれました。


■ まとめ
正直、川崎の守備は緩い場面が多く、スペースを空けてくれる機会も多かったので、チャンスメイキングには苦労していなかった感じです。でも、川崎も最後の中央のところはしっかりしていましたので、鳥栖も勝ち越し点を挙げるところまでには行きませんでした。
また、川崎も攻撃に選手をさいているので、鳥栖としても全体を押し上げて攻撃でイケイケとまではなりきれませんでした。
川崎も、鳥栖も、良いところまでは侵入して行くのですが、最後のシュートシーンまではなかなか繋げることができず、フィニッシュをどのような形で迎えるかというのは、互いに大きな課題が残った試合だと思います。
<画像引用元:DAZN>
2017 第34節 : コンサドーレ札幌 VS サガン鳥栖
2017 第33節 : サガン鳥栖 VS ジュビロ磐田
2017 第31節 : アルビレックス新潟 VS サガン鳥栖
2017 第30節 : ヴィッセル神戸 VS サガン鳥栖
2017 第29節 : サガン鳥栖 VS セレッソ大阪
2017 第28節 : サガン鳥栖 VS 鹿島アントラーズ
2017 第33節 : サガン鳥栖 VS ジュビロ磐田
2017 第31節 : アルビレックス新潟 VS サガン鳥栖
2017 第30節 : ヴィッセル神戸 VS サガン鳥栖
2017 第29節 : サガン鳥栖 VS セレッソ大阪
2017 第28節 : サガン鳥栖 VS 鹿島アントラーズ
Posted by オオタニ at 20:25
│Match Impression (2017)