サガン鳥栖の観戦記。戦術を分析して分かりやすく説明できるように心がけています。

2017年04月12日

2017 第6節 : サガン鳥栖 VS アルビレックス新潟

■ 雑感

先日行われたアルビレックス新潟との試合の雑感です。簡単に振り返ります。

スコアこそ、3-0という試合ですが、一歩間違ったらその結果は逆転していた可能性はあったかもしれないという試合でした。

新潟の攻撃のセットアップとして、サイドハーフの端山と山崎を鳥栖のサイドバックくらいまでの高い位置に上げていました。狙いとしては、端山と山崎が引いてボールを受ける動きに対してサイドバックがついてきたときに、そのスペースをフォワードに狙わせるというのが見て取れました。

このやり方の弊害としては、新潟としてはダブルボランチ2人が組み立てようとするところに、鳥栖の中盤の3人が対峙することになり、中盤のつなぎとしては数的不利が生まれます。新潟が思いのほか長いボールが多かったのは、戦術によるところもあるでしょうが、鳥栖のプレッシャーに対しての逃げ場がなかったというのもあるでしょう。



ただ、新潟の狙いもハマらなかったわけではなく、何度となくスペースを空ける動きが成功していました。前半16分のシーンは、見事にそのスペースをついてからのホニのシュートでしたが、わずかにゴールを外れました。パスの精度が悪かったり、味方が気づいていなかったりなどによって、ゴールという結果までは生まれなかったのですが、これからこの形に対する連動性を向上させることができれば一つの形として確立できそうな気がします。





今回の新潟のストロングポイントとして、戦術云々よりもガリャルドとホニの動きが洗練しすぎており、前半10分の中央のスルーパスのシーンに代表されるように、トランジションの場面でうまく最終ラインの前でガリャルドがボールを受けると、最終ラインの人数がそろっていてもそれをはがして割り切るドリブル能力そしてパス能力の高さを発揮しておりました。最終ラインから飛び出すホニに対するガリャルドのパスというコンビネーションは非常に脅威でして、決定的なピンチを何度も招いていましたが、天の恵みと言いますか、雨が降っていて「すべるゾーン」がホニの動きを止める攻撃ストッパーになってくれていたのは、(例え運であっても)この試合のひとつのポイントだったかと思います。助かった~というシーンは非常に多かったです。

対して、鳥栖は、4-3-1-2から4-4-2にしてから上手く回ったという監督のコメントがありましたが、この類のコメントはもはや鳥栖の恒例行事になっているような気がしますね(笑) もちろん、ポジショニングは相手次第というところもありますので、試合の中で対応していかなければならないことは確かです。

ただ、チームの成長のため、そして鎌田の成長のためには、4-3-1-2を模索して組織として作り上げきってほしいなと思っています。4-4-2だと、自分の動けるエリアも役割も明確になって動きやすいでしょうが、明確なだけに、展開や戦況を大きく変えるような動きが取りづらいです。その点、4-3-1-2だと、トップ下の鎌田をフリーマン的に攻守に活用することによって、数的不利なエリアへのサポートや、相手が作ったギャップへの切り込みなど、鎌田の判断だけでその試合を有利な状況に持ってくることができる可能性を秘めています。

ただ、そのためには、セントラルハーフの3人だけで、攻撃・守備をある程度賄えるようになることも必要ですし、当然のことながら運動量が求められますし、何よりもチーム全体として戦況を見極められる広い戦術眼が求められます。これらを、試合を通じて高めていくことによって、中盤の4人が躍動する更に高いレベルのサッカーをサガン鳥栖が見せてくれることを大きく期待しています。

さて、新潟戦に戻りますが、確かに、前半の最初は、イバルボと鎌田が非常にちぐはぐな感じでポジショニングを取っていたシーンもありましたが、鎌田の動きによっては、サイドの数的有利の状況を作り出してよい攻撃を仕掛けていたシーンもありました。

前半に、イバルボに長いボールを当てて彼がキープして、イバルボの頭を超える素晴らしいパスで鎌田が前を向いてボールを受けて、シュートを放つ(逆サイドの豊田がつめていて惜しかったですが)と言うシーンは、一つのポイントだと思います。両サイドハーフとイバルボがサイドで組み立ててからの展開と言うのは、ひとつの形になっていたのかなと思いました。

気になったのは新潟の右サイドでありまして、端山・矢野・加藤のコンビネーションが悪くて(端山は今期初出場だったんですね)、吉田が追い越して上がってくるとマークの付き方がメンバー間で整理されておらず、ボール保持者へのプレッシャーが弱くなって、鳥栖が余裕を持ってパスコースを選択できる場面が見受けられました。

あと、PKの前のシーンもですが、前からボールを奪いたい前線と、しっかりとブロックを組みたい2列目・最終ラインとの息が合わずに、中盤に大きなスペースを空けることも多々ありました。新潟は、守備面では非常に課題の大きかった試合だったのかなと思います。




鳥栖も、攻撃が機能するシーンも見られましたが、逆サイド側に展開することを見越してか、イバルボがボールサイドと逆側のスペースを狙える位置にポジショニングしており、そのおかげでせっかく豊田がロングボールの処理に競り勝っても、イバルボはまったくその近辺にいないというシーンもありましたし、鎌田がサイドに張り出したおかげで、逆にパスコースがなくなって中央に戻さざるをえず、キープレイヤーであるはずの鎌田が逆に囮となって彼にボールが渡らないシステムになってしまっていたりなど、もっともっと洗練するべきポイントはたくさんありました。

この試合、スコア的には快勝でしたが、危ないシーンも作られましたし、もっともっと向上させるべきところがある試合だったように思えます。次節に期待ですね。

■ 権田について

最後に、前節の試合の振り返りができなかったので、あえて書きますが、権田はこの試合、非常によいパフォーマンスで安定したプレイを見せてくれました。これまでの鳥栖の中でも安定感はピカイチでしょう。(一瞬のきらめきはやはり高嵜理貴押しですw)
前節のミスも、決してメンタル面が大きな原因ではなく、選手間のコミュニケーションやプレイスタイルの理解不足によって生じたものであり、今後は改善できるものでありますから、大きく捉える必要はないと考えています。
前節の次の試合だったからこそ、無失点の勝利を挙げることができたのは非常によかったと思います。
これからも権田のプレイには大きく期待しています。

■ メモ







<画像引用元:DAZN>


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Posted by オオタニ at 20:25 │Match Impression (2017)