2017年06月23日
2017天皇杯2回戦 サガン鳥栖 VS 松江シティ
記憶を頼りに松江シティ戦を振り返ります。
松江シティは、チーム全体が連動した動きを発揮して非常に洗練されたチームでした。毎年、何らかの試合で下位カテゴリチームの試合を見るのですが、昔とは異なって下部リーグであろうと組織力を発揮する戦いを見ることができて非常に驚かされます。
松江シティは、登録上は4-3-3ですが、守備時には変則の4-4-2という感じで、31番の動き方(周りの動かし方)によっては、4-1-4-1のような形にもなっていました。
守備時には、両サイドのフォワードが鳥栖のサイドバックにつき、そこから縦に入ったところをサイドバックが積極的に鳥栖の両サイドハーフにボールを奪いに行く形でした。サイドバックとセンターバックの間にできるギャップは、センターバックなりボランチなりがケアに行くのですが、鳥栖はそのギャップに豊田やイバルボが入っていくものの、松江の寄せの速さに思う通りにパスを前進させることができず、センターバックへのバックパスで撤退を余儀なくされる展開が続きます。
松江の守備は非常にコンパクトで、最終ラインと中盤の間にはなかなかスペースを作らず、鳥栖としては縦パスを入れさせてくれるエリアがなかなか見つかりませんでした。そして、鳥栖がサイドチェンジすると、フォワードの選手の上下で中盤に4名ないしは5名の壁を作ることを徹底しており、最終ラインの人数を増やすのではなく、中盤(もしくは1.5列目のファーストディフェンダー)の人数を増やすことによって、鳥栖から徹底的に押し込まれて防戦一方になるのをなんとか回避しようという意図は見えました。
鳥栖もセンターバックまでは圧力がこないので(相手が下部リーグということもあったかもしれませんが)簡単には蹴っ飛ばすことはせずに、左右にボールを回しながらほころびが空くのを狙いますが、前半は松江シティの体力もあり、スライドもしっかりと行われていて、パスワークだけではなかなか崩し切ることはできませんでした。スペースが空かないならば強引にでも…というところで、そこはプロとしての意地か、ドリブルによる個人突破や、ルーズボールの回収における出足の速さによって、シュートまではこぎつけることはできていましたが、相手キーパーのファインセーブなどもあってなかなか得点できず。
鳥栖として、ちょっと素直すぎたかなというところがありまして、サイドハーフにボールを入れると必ずサイドバックが食いついてくるので、サイドバックとセンターバックの間のスペースをどう使うかというところがあるのですが、そこに対して素直にフォワードや鎌田が入ってくるので、相手センターバックとしてはそのままスライドしていけば人にもついていけるし、スペースも消せるしという、考えなくてもよい形での応対をされていて、相手を混乱させる動きというのが少なかったかなという印象です。たとえば、そこにギャップがあったとしても、豊田がファーサイドに抜けようとしたときにセンターバックがどのような対処をとるのかというのがありまして、そのスペースを義希なり、サイドバックなり、2列目、3列目の選手に使わせるという手段を使うのもおもしろかったかなと。実際、吉田が2列目を飛び越して入ってきたシーンにはなかなか相手も対処に苦労していましたし。
もうひとつのねらい目としては、松江がコンパクトにスライドしてボールサイドに寄せてきていたのですが、特に左サイドで攻撃していた時の逆サイドの藤田のポジショニングがよかったので、(何回か送り込みはしましたが)大きなサイドチェンジを多用してもおもしろかったかなと。ちょっと精度にかけるボールも多かったのですが、それを繰り返すことによって、松江の体力をもっと早く奪うことができていたかもしれません。
結局、前半からのボール保持で相手を動かし続けてから体力を削り取ってからの、田川・水野の投入という、松江からすれば、フィジカルモンスターのイバルボやテクニシャンの小川がいなくなったと思ったら、馬力タイプの選手がでてくるのかよ!って感じでちょっとつらかったですね。
そうこうするうちに、(ちょっと微妙でしたが)田川の圧力からボールを奪ってからのPKゲット、吉田の突破から逆サイドの田川のゴール、そして同じく田川の右サイドからの深い切り返しからのゴールでダメ押し。
松江は、前半はボールを奪ってから何とか前線につなげていましたが、後半に入ってから徐々にコンパクトさが保てなくなってきて、そして奪ってから前線までの距離が遠くなり、つなぎのパスまでが義希や福田にカットされるようになってくるという、つらい時間帯が続いたのが響きました。それでも、最後は猛攻を見せて、権田を脅かすシュートを何本か放ったのはさすがというところです。コーナーキックからのヘディングでしたか、権田の反応の速さに驚きました。
最後に、松江シティのビルドアップは非常に攻撃的でありまして、最終ラインのところからはサイドバックが大きく張り出して、センターバックも中央を空けて開いた状態でポジショニングし、ゴールキーパーとセンターバック、センターバックと31番とでトライアングルを作ってビルドアップする形はちょっと驚かされました。
中央でボールをつないで、相手を引き寄せてからそこから外に開くと、ウイングの選手とサイドバックの選手の2名に対して、鳥栖はサイドバックしかいない状態を作り、サイドで簡単に2-1の局面を作ることができていたのは、攻撃に対するセオリーを持っているのだなと感じました。鳥栖も、最終ラインのビルドアップに対して前から奪いに行きましたが、そこを奪われない松江の技術の高さにも驚かされました。
結果的には3-0というスコアでしたが、サッカーとしては非常に見ごたえのある試合でして、鳥栖サポーターとしては、前半が終わるころには「もしかして…」という思いを持ったかたもいらっしゃったかもしれません。前半からかなり松江を動かしていたので、相手が疲れてくるころには得点のチャンスは生まれるだろうなとは思っていましたが、まさか田川と水野を早々に入れるとは思っていませんでした。今回は、マッシモ采配の予想外の「速さ」にある意味裏切られました(笑)
松江シティFCさんのJリーグ昇格を期待しています。
松江シティは、チーム全体が連動した動きを発揮して非常に洗練されたチームでした。毎年、何らかの試合で下位カテゴリチームの試合を見るのですが、昔とは異なって下部リーグであろうと組織力を発揮する戦いを見ることができて非常に驚かされます。
松江シティは、登録上は4-3-3ですが、守備時には変則の4-4-2という感じで、31番の動き方(周りの動かし方)によっては、4-1-4-1のような形にもなっていました。
守備時には、両サイドのフォワードが鳥栖のサイドバックにつき、そこから縦に入ったところをサイドバックが積極的に鳥栖の両サイドハーフにボールを奪いに行く形でした。サイドバックとセンターバックの間にできるギャップは、センターバックなりボランチなりがケアに行くのですが、鳥栖はそのギャップに豊田やイバルボが入っていくものの、松江の寄せの速さに思う通りにパスを前進させることができず、センターバックへのバックパスで撤退を余儀なくされる展開が続きます。
松江の守備は非常にコンパクトで、最終ラインと中盤の間にはなかなかスペースを作らず、鳥栖としては縦パスを入れさせてくれるエリアがなかなか見つかりませんでした。そして、鳥栖がサイドチェンジすると、フォワードの選手の上下で中盤に4名ないしは5名の壁を作ることを徹底しており、最終ラインの人数を増やすのではなく、中盤(もしくは1.5列目のファーストディフェンダー)の人数を増やすことによって、鳥栖から徹底的に押し込まれて防戦一方になるのをなんとか回避しようという意図は見えました。
鳥栖もセンターバックまでは圧力がこないので(相手が下部リーグということもあったかもしれませんが)簡単には蹴っ飛ばすことはせずに、左右にボールを回しながらほころびが空くのを狙いますが、前半は松江シティの体力もあり、スライドもしっかりと行われていて、パスワークだけではなかなか崩し切ることはできませんでした。スペースが空かないならば強引にでも…というところで、そこはプロとしての意地か、ドリブルによる個人突破や、ルーズボールの回収における出足の速さによって、シュートまではこぎつけることはできていましたが、相手キーパーのファインセーブなどもあってなかなか得点できず。
鳥栖として、ちょっと素直すぎたかなというところがありまして、サイドハーフにボールを入れると必ずサイドバックが食いついてくるので、サイドバックとセンターバックの間のスペースをどう使うかというところがあるのですが、そこに対して素直にフォワードや鎌田が入ってくるので、相手センターバックとしてはそのままスライドしていけば人にもついていけるし、スペースも消せるしという、考えなくてもよい形での応対をされていて、相手を混乱させる動きというのが少なかったかなという印象です。たとえば、そこにギャップがあったとしても、豊田がファーサイドに抜けようとしたときにセンターバックがどのような対処をとるのかというのがありまして、そのスペースを義希なり、サイドバックなり、2列目、3列目の選手に使わせるという手段を使うのもおもしろかったかなと。実際、吉田が2列目を飛び越して入ってきたシーンにはなかなか相手も対処に苦労していましたし。
もうひとつのねらい目としては、松江がコンパクトにスライドしてボールサイドに寄せてきていたのですが、特に左サイドで攻撃していた時の逆サイドの藤田のポジショニングがよかったので、(何回か送り込みはしましたが)大きなサイドチェンジを多用してもおもしろかったかなと。ちょっと精度にかけるボールも多かったのですが、それを繰り返すことによって、松江の体力をもっと早く奪うことができていたかもしれません。
結局、前半からのボール保持で相手を動かし続けてから体力を削り取ってからの、田川・水野の投入という、松江からすれば、フィジカルモンスターのイバルボやテクニシャンの小川がいなくなったと思ったら、馬力タイプの選手がでてくるのかよ!って感じでちょっとつらかったですね。
そうこうするうちに、(ちょっと微妙でしたが)田川の圧力からボールを奪ってからのPKゲット、吉田の突破から逆サイドの田川のゴール、そして同じく田川の右サイドからの深い切り返しからのゴールでダメ押し。
松江は、前半はボールを奪ってから何とか前線につなげていましたが、後半に入ってから徐々にコンパクトさが保てなくなってきて、そして奪ってから前線までの距離が遠くなり、つなぎのパスまでが義希や福田にカットされるようになってくるという、つらい時間帯が続いたのが響きました。それでも、最後は猛攻を見せて、権田を脅かすシュートを何本か放ったのはさすがというところです。コーナーキックからのヘディングでしたか、権田の反応の速さに驚きました。
最後に、松江シティのビルドアップは非常に攻撃的でありまして、最終ラインのところからはサイドバックが大きく張り出して、センターバックも中央を空けて開いた状態でポジショニングし、ゴールキーパーとセンターバック、センターバックと31番とでトライアングルを作ってビルドアップする形はちょっと驚かされました。
中央でボールをつないで、相手を引き寄せてからそこから外に開くと、ウイングの選手とサイドバックの選手の2名に対して、鳥栖はサイドバックしかいない状態を作り、サイドで簡単に2-1の局面を作ることができていたのは、攻撃に対するセオリーを持っているのだなと感じました。鳥栖も、最終ラインのビルドアップに対して前から奪いに行きましたが、そこを奪われない松江の技術の高さにも驚かされました。
結果的には3-0というスコアでしたが、サッカーとしては非常に見ごたえのある試合でして、鳥栖サポーターとしては、前半が終わるころには「もしかして…」という思いを持ったかたもいらっしゃったかもしれません。前半からかなり松江を動かしていたので、相手が疲れてくるころには得点のチャンスは生まれるだろうなとは思っていましたが、まさか田川と水野を早々に入れるとは思っていませんでした。今回は、マッシモ采配の予想外の「速さ」にある意味裏切られました(笑)
松江シティFCさんのJリーグ昇格を期待しています。
2017 第34節 : コンサドーレ札幌 VS サガン鳥栖
2017 第33節 : サガン鳥栖 VS ジュビロ磐田
2017 第31節 : アルビレックス新潟 VS サガン鳥栖
2017 第30節 : ヴィッセル神戸 VS サガン鳥栖
2017 第29節 : サガン鳥栖 VS セレッソ大阪
2017 第28節 : サガン鳥栖 VS 鹿島アントラーズ
2017 第33節 : サガン鳥栖 VS ジュビロ磐田
2017 第31節 : アルビレックス新潟 VS サガン鳥栖
2017 第30節 : ヴィッセル神戸 VS サガン鳥栖
2017 第29節 : サガン鳥栖 VS セレッソ大阪
2017 第28節 : サガン鳥栖 VS 鹿島アントラーズ
Posted by オオタニ at 01:12
│Match Impression (2017)