2008年09月11日
Vol.3 個別最適ができないサービス
ただ、単純に既存顧客への満足度をあげると言っても、サッカーという試合においては、誰に対してどのような満足度を上げていったらよいのか。
サービスというのは、言わずもがな、顧客の期待することに対して、企業としてどのように対応するのかが大事である。そして企業の対応は顧客の期待と一致していなければならない。企業として顧客が望んでいない対応を行っても、それはひとりよがりな施策であって、顧客満足度の上昇、ひいては営業利益の増加につながっていくことはない。一時的にサービスが低下することがあれば、その計画と将来の予測が理にかなったものであり、最終的には現在よりも相対的に上昇しなければ理解は得られない。
しかしながら、車や電化製品などの製品を作る企業と違い、サッカーというサービスは顧客それぞれの要望に対応できるものではない。サッカーというサービスは、スタジアムに訪れた顧客全員が同じものを見るわけであり、顧客それぞれに違う試合を見せる事はできない。とは言うものの、顧客一人一人が期待しているものはそれぞれ異なっている。このように、サッカーというサービスにおいては顧客の期待とサービスの提供を一致させるというのは実に難しい問題なのだ。
例えば、DELLという企業は、ユーザーがパソコンは購入する時に、顧客ひとりひとりの希望に応じてスペックを選択しひとつひとつの部品を組み合わせて購入することができる。使用用途や予算に応じてメモリやCPUなどをくみ上げることができるので、効率よく個別最適を実現していると言えるだろう。また、DELLは顧客の注文に応じてからパソコンをくみ上げるので、企業として不要な在庫を持つ必要もないのでコストダウンも図る事ができる。jこの方式もいろいろ問題点はあるのだろうが、一応の所、顧客に対するサービスの向上と企業としてのコストダウンという、互いに利害の一致した施策となっている。
では、サッカーの場合はどうなるのか。サッカーというサービスは最終的にできあがる形となるものがないだけに、顧客の期待も多岐にわたる。勝ち試合が見たい、若手の成長が見たい、生え抜き選手だけで戦ってほしい、大物外国人を連れてきてほしい、組織的に守る試合が見たい、選手が最後まで走りきる試合が見たい、負けてもいいから将来性のある試合が見たい、攻撃的な試合が見たい、とひとりひとりの希望を細分化していけばきりがない。しかも、それぞれの観点が異なるのでまとめあげるのも不可能に近い。スポーツの観戦者はともすればひとりひとり全員が監督のような気分で試合を見ていることもある。
現に、試合当日は顧客はスタジアムにおいて、まったく同じ試合を見ているのであるのだが、試合後には観客の反応はひとそれぞれだ。拍手を送る人、ブーイングを放つ人、笑顔で帰る人、憮然とした表情で帰る人、提供したものが同じであるのに、この悲喜交々の様相は冷静に見ると不思議な状況だ。
顧客の期待や希望を突き詰めていくと、結果として見えてくるものがひとつだけある。それは勝ち点だ。サッカーは個別最適ができないサービスなので、全体最適を模索するしか道はない。そのひとつの道標となるのは勝ち点だけであり、顧客の大部分を満足させるためには、要はサッカーの試合に勝てばいいのだ。
例えどんな試合であろうとも、目の前の試合に勝ってさえいれば、不満があったとしてもそれは最小限に抑えられる。もちろん試合に勝っても文句を言う顧客だっているだろう。勝ち方にこだわるのも将来の試合を考えると重要であるのだが、これは最低条件の勝利という結果を受けての反省であって、敗戦の場合には更なる不満がうずまくであろう。ま、あるチームは昇格を決めた試合にも関わらず、試合後にサポーターが監督や選手に背中を向けるというシーンがあったが、これは例外中の例外と考える。
顧客の要望は言いだせばきりがないので、チームの経営陣、首脳陣としては、様々な不満が渦巻いても選手たちがプレーする際において勝つことだけに集中させることができれば合格であろう。結果的には勝利を実現するのは試合に臨む選手たちであるので、キックオフの笛が吹かれてしまえば、その行方は彼らにまかせるしかない。逆に選手たちが試合に集中できない状態や試合で力を発揮できない状態であれば、それは経営陣、首脳陣の問題である。無論、選手たちそのものが甘えていたとすれば、彼らは顧客に対するサービス提供側という自覚がないといえる。
このように、顧客の要望に応えるためには勝ち点というのがひとつの評価の基準になるのだが、更に熱心な顧客はサポーターミーティングなどに参加して、経営方針や企業計画などに熱心に携わる方もいらっしゃる。ただ、このサポーターミーティングが、また企業にとっては有意義なものでもあり、厄介なものでもあるのだ。
サポーターズミーティングに参加しているサポーターは顧客として勘違いしてはならない事が一つだけある。それは…
(Vol.4につづく)
サービスというのは、言わずもがな、顧客の期待することに対して、企業としてどのように対応するのかが大事である。そして企業の対応は顧客の期待と一致していなければならない。企業として顧客が望んでいない対応を行っても、それはひとりよがりな施策であって、顧客満足度の上昇、ひいては営業利益の増加につながっていくことはない。一時的にサービスが低下することがあれば、その計画と将来の予測が理にかなったものであり、最終的には現在よりも相対的に上昇しなければ理解は得られない。
しかしながら、車や電化製品などの製品を作る企業と違い、サッカーというサービスは顧客それぞれの要望に対応できるものではない。サッカーというサービスは、スタジアムに訪れた顧客全員が同じものを見るわけであり、顧客それぞれに違う試合を見せる事はできない。とは言うものの、顧客一人一人が期待しているものはそれぞれ異なっている。このように、サッカーというサービスにおいては顧客の期待とサービスの提供を一致させるというのは実に難しい問題なのだ。
例えば、DELLという企業は、ユーザーがパソコンは購入する時に、顧客ひとりひとりの希望に応じてスペックを選択しひとつひとつの部品を組み合わせて購入することができる。使用用途や予算に応じてメモリやCPUなどをくみ上げることができるので、効率よく個別最適を実現していると言えるだろう。また、DELLは顧客の注文に応じてからパソコンをくみ上げるので、企業として不要な在庫を持つ必要もないのでコストダウンも図る事ができる。jこの方式もいろいろ問題点はあるのだろうが、一応の所、顧客に対するサービスの向上と企業としてのコストダウンという、互いに利害の一致した施策となっている。
では、サッカーの場合はどうなるのか。サッカーというサービスは最終的にできあがる形となるものがないだけに、顧客の期待も多岐にわたる。勝ち試合が見たい、若手の成長が見たい、生え抜き選手だけで戦ってほしい、大物外国人を連れてきてほしい、組織的に守る試合が見たい、選手が最後まで走りきる試合が見たい、負けてもいいから将来性のある試合が見たい、攻撃的な試合が見たい、とひとりひとりの希望を細分化していけばきりがない。しかも、それぞれの観点が異なるのでまとめあげるのも不可能に近い。スポーツの観戦者はともすればひとりひとり全員が監督のような気分で試合を見ていることもある。
現に、試合当日は顧客はスタジアムにおいて、まったく同じ試合を見ているのであるのだが、試合後には観客の反応はひとそれぞれだ。拍手を送る人、ブーイングを放つ人、笑顔で帰る人、憮然とした表情で帰る人、提供したものが同じであるのに、この悲喜交々の様相は冷静に見ると不思議な状況だ。
顧客の期待や希望を突き詰めていくと、結果として見えてくるものがひとつだけある。それは勝ち点だ。サッカーは個別最適ができないサービスなので、全体最適を模索するしか道はない。そのひとつの道標となるのは勝ち点だけであり、顧客の大部分を満足させるためには、要はサッカーの試合に勝てばいいのだ。
例えどんな試合であろうとも、目の前の試合に勝ってさえいれば、不満があったとしてもそれは最小限に抑えられる。もちろん試合に勝っても文句を言う顧客だっているだろう。勝ち方にこだわるのも将来の試合を考えると重要であるのだが、これは最低条件の勝利という結果を受けての反省であって、敗戦の場合には更なる不満がうずまくであろう。ま、あるチームは昇格を決めた試合にも関わらず、試合後にサポーターが監督や選手に背中を向けるというシーンがあったが、これは例外中の例外と考える。
顧客の要望は言いだせばきりがないので、チームの経営陣、首脳陣としては、様々な不満が渦巻いても選手たちがプレーする際において勝つことだけに集中させることができれば合格であろう。結果的には勝利を実現するのは試合に臨む選手たちであるので、キックオフの笛が吹かれてしまえば、その行方は彼らにまかせるしかない。逆に選手たちが試合に集中できない状態や試合で力を発揮できない状態であれば、それは経営陣、首脳陣の問題である。無論、選手たちそのものが甘えていたとすれば、彼らは顧客に対するサービス提供側という自覚がないといえる。
このように、顧客の要望に応えるためには勝ち点というのがひとつの評価の基準になるのだが、更に熱心な顧客はサポーターミーティングなどに参加して、経営方針や企業計画などに熱心に携わる方もいらっしゃる。ただ、このサポーターミーティングが、また企業にとっては有意義なものでもあり、厄介なものでもあるのだ。
サポーターズミーティングに参加しているサポーターは顧客として勘違いしてはならない事が一つだけある。それは…
(Vol.4につづく)
Jリーグの2ステージ制度について
アドバンテージを取れない審判
スタジアム観戦者調査報告書について
Vol.2 新規顧客の獲得よりも既存顧客の優良顧客化へ
Vol.1 必要なのは人か金
フォワードの仕事とは
アドバンテージを取れない審判
スタジアム観戦者調査報告書について
Vol.2 新規顧客の獲得よりも既存顧客の優良顧客化へ
Vol.1 必要なのは人か金
フォワードの仕事とは
Posted by オオタニ at 11:57
│Column
この記事へのコメント
続きはwebで!!
Posted by かずみぃ at 2008年09月11日 13:06
都築はRedsで!!
Posted by オオタニ at 2008年09月11日 13:31
都筑は(ry
Posted by かずみぃ at 2008年09月11日 18:12
都築はRedで!!
我々を勝たせてくれない何かg(ry
我々を勝たせてくれない何かg(ry
Posted by スネヲ at 2008年09月11日 18:33
か
水城学園w
スネヲ
さすがカード大王w
都築はワシが育てた!
水城学園w
スネヲ
さすがカード大王w
都築はワシが育てた!
Posted by オオタニ at 2008年09月12日 09:34