2013年08月22日
鳥栖 VS 大宮
この試合、大宮はベルデニック監督が解任されてから、最初の試合でした。
実は、筆者的には、「しめた!」という感じでした。
下の表は、ここ3年間の監督解任直後の試合結果をまとめたものです。
監督解任後の次の試合の勝率は、4勝9敗7分でちょうど20%です。
監督解任はカンフル剤となって、直後の試合(だけは)好転しそうな気がするのですが、
やはり急に手綱をまかされたチームに勝ち星をもたらすことは至難の業のようです。
さて、このデータの裏を返すと、サガン鳥栖は80%の確率で勝ち点を取れる!ということです。
そこには、イベント打って客たくさん入ったら負けがちとか、木原慶吾が歌いに来たら負けがちとか、
サガン鳥栖にはいろんな都市伝説がありますが、この、監督解任直後の統計だけは信じたい!
ということで、先制点を取られても、筆者的にはあせることなく試合を観戦することができ、
やはりというか、逆転で勝ち点3を取ることができました。
確率の通りに試合が進んで、確率統計の神様も喜んでいることでしょう(笑)
この試合、前後半を通じて、これまでの試合とは見違えるほどに、前線からのプレッシャーをかけることができ、ほぼ、すべての時間帯において試合を支配することができました。
特に、上田、青木、このボランチがサイドに流れて組み立てようとするところへのプレッシャーが効いており、前線への長いボールを多用することをよしとしない大宮の戦いっぷりにも助けられて、前線の二人と中盤を寸断することに成功しました。
また、疲れを見せてきた終盤には、つぎつぎと送り込まれた途中出場の選手たちのアグレッシブな動きで、チームに活力を与えました。
そして、やはりこの試合の最大の功労者は間違いなく豊田でしょう。
特に、得点シーンは、トラップの後のファーストステップでゴール前へぐいと切りこみ、一気にシュートができる態勢までもっていきました。早坂もフリーで入ってきていたのですが、ニアを消しつつもファーサイドを注意するキーパーをあざ笑うかのように、ピンポイントのシュートをサイドネットに突き刺しました。まさにストライカーと言える活躍でお見事だったと思います。
さて、では、失点シーンの考察です。
チョヨンチョルの逆サイドへの展開が起点となるのですが、チョヨンチョル的には、中央のノバコビッチとの崩しを狙いたかったのでしょうが、ボランチ2人が中央をしっかりとしぼって、パスコースを消していたので、チョヨンチョルの選択肢として、逆サイドへボールを配給する(もしくはバックパス)しか残されてなかったシーンです。非常に良い守り方だと思います。
それで、サイドへでた長いボールを狙って、ズラタンについていたキムミヌがパスカットへ向かいます。
このパスカットが、惜しくも足が届かずに逆サイドへと繋がれてしまいました。
このキムミヌのチャレンジ自体は非常によかったと思います。
リトリートするだけでは、ボールを奪うことはできませんので、行けるという時のチャレンジは絶対に必要です。
しかも相手の前線はズラタンしか残っておらず、キムミヌが離したとしても、センターバックがスライドして、マーキングを行ってくれています。
ただ、この時、パスを出したチョヨンチョルがゴール前へとランニングを始めます。
ここに、サイドへパスを出すときについていた池田と藤田がチョヨンチョルを離してしまいます。
センターバックに任せる意図があったのかもしれませんが、ノバコビッチが中央にスタンバイしていることを考えると、ここは、藤田が最終ラインに吸収されてでもケアすべきだったのではないかと考えます。
無論、その際は、水沼、池田が1列ずつリトリートしてカバーすることが必要です。
3枚目の絵のシーンとなると、チョヨンチョル、青木がするするっと抜け出そうとするところをフリーにしてしまって、彼らが自由にゴール前に入っていくきっかけをつくってしまっています。
最後、チョヨンチョルへのラストパスのシーンですが、ずっとセンターで張っていたノバコビッチを使ったワンツーでも良いですし、中央に飛び込んで来ている青木を使っても良いシーンです。
しかしながら、渡辺は、ここでトップスピードでセンターバックの背後を狙うチョヨンチョルへピンポイントのスルーパスを送ります。
ちょっと前の古くさい言い方でいうと、まさにキラーパスですよね。
丹羽もセンターにしぼって菊池と中央を守っていたのですが、トップスピードで入ってくるチョヨンチョルについていくのはちょっと厳しかったですね。
チョヨンチョルも走り抜けながらボールを受け、うまく腰を回してゴールを突き刺しました。
チョヨンチョルからサイドへ展開されるまでは、何の問題もなかった鳥栖の守備陣が、ゴール前に迫られる頃には、ほぼ崩壊してしまっているという、今年の守備陣の問題が浮き彫りになっています。
守備陣形が整っているときは、全体が統率されて、出されてはいけないエリアをカバーする事がしっかりとできています。
ただ、誰か一人が交わされたり、ボランチやディフェンスラインの人間が飛び出してくると、全体のマークのスライドがうまくいかずに、今回の失点のような事態を招きます。
キムミヌのボールへのチャレンジは決して悪い物プレーではなかったと思います。
ポイントは、彼がボールをとれなかったときに、他のプレーヤーがどのようにカバーするか、どのようにしてチャンスを作らせないかというところです。
前線からの守備では、チーム全体の意識が統一されて、パスコースを消したり、プレスに入ったりというところができています。
ところが、相手がバイタルエリアに入ってきたところで、2列目からの飛び出しについていけなかったり、スライドがうまくいかずにひとり余らせてしまったりと、どうしてもほころびをみせてしまっています。去年は、サイドの選手がこの当たりをうまく抑えていたのですが、今年はなかなか失点が減らないですよね。
あと、この試合でおもしろかったのは、前節のマルキーニョスがあれだけ裏のスペースを執拗について、守備の崩しを狙っていたのと対照的で、上記の得点シーンのノバコビッチですが、ほとんどそのプレーエリアから動きを見せていません。
チョヨンチョルがあれだけボールをサイドに転化した後に逆サイドのゴール前までフリーランニングしているのですが、ノバコビッチは微動だにせず、ただひたすらにターゲットとして待ち構えています。
逆に言うと、その動きを警戒しすぎて、菊池と丹羽も動けなくなってしまったところがあると思います。
豊田の場合は、よく動くタイプなので、豊田が囮で池田が得点というパターンともまた違った味のある攻撃です。
なにはともあれ、大きな大きな勝ち点3を得ることができました。
やはり、サポーターの声は選手たちにとって、大きな励みであると思います。
ホームでの試合が続きますので、ぜひとも連勝と波に乗っていきたいですね。
実は、筆者的には、「しめた!」という感じでした。
下の表は、ここ3年間の監督解任直後の試合結果をまとめたものです。
監督解任後の次の試合の勝率は、4勝9敗7分でちょうど20%です。
監督解任はカンフル剤となって、直後の試合(だけは)好転しそうな気がするのですが、
やはり急に手綱をまかされたチームに勝ち星をもたらすことは至難の業のようです。
さて、このデータの裏を返すと、サガン鳥栖は80%の確率で勝ち点を取れる!ということです。
そこには、イベント打って客たくさん入ったら負けがちとか、木原慶吾が歌いに来たら負けがちとか、
サガン鳥栖にはいろんな都市伝説がありますが、この、監督解任直後の統計だけは信じたい!
ということで、先制点を取られても、筆者的にはあせることなく試合を観戦することができ、
やはりというか、逆転で勝ち点3を取ることができました。
確率の通りに試合が進んで、確率統計の神様も喜んでいることでしょう(笑)
この試合、前後半を通じて、これまでの試合とは見違えるほどに、前線からのプレッシャーをかけることができ、ほぼ、すべての時間帯において試合を支配することができました。
特に、上田、青木、このボランチがサイドに流れて組み立てようとするところへのプレッシャーが効いており、前線への長いボールを多用することをよしとしない大宮の戦いっぷりにも助けられて、前線の二人と中盤を寸断することに成功しました。
また、疲れを見せてきた終盤には、つぎつぎと送り込まれた途中出場の選手たちのアグレッシブな動きで、チームに活力を与えました。
そして、やはりこの試合の最大の功労者は間違いなく豊田でしょう。
特に、得点シーンは、トラップの後のファーストステップでゴール前へぐいと切りこみ、一気にシュートができる態勢までもっていきました。早坂もフリーで入ってきていたのですが、ニアを消しつつもファーサイドを注意するキーパーをあざ笑うかのように、ピンポイントのシュートをサイドネットに突き刺しました。まさにストライカーと言える活躍でお見事だったと思います。
さて、では、失点シーンの考察です。
チョヨンチョルの逆サイドへの展開が起点となるのですが、チョヨンチョル的には、中央のノバコビッチとの崩しを狙いたかったのでしょうが、ボランチ2人が中央をしっかりとしぼって、パスコースを消していたので、チョヨンチョルの選択肢として、逆サイドへボールを配給する(もしくはバックパス)しか残されてなかったシーンです。非常に良い守り方だと思います。
それで、サイドへでた長いボールを狙って、ズラタンについていたキムミヌがパスカットへ向かいます。
このパスカットが、惜しくも足が届かずに逆サイドへと繋がれてしまいました。
このキムミヌのチャレンジ自体は非常によかったと思います。
リトリートするだけでは、ボールを奪うことはできませんので、行けるという時のチャレンジは絶対に必要です。
しかも相手の前線はズラタンしか残っておらず、キムミヌが離したとしても、センターバックがスライドして、マーキングを行ってくれています。
ただ、この時、パスを出したチョヨンチョルがゴール前へとランニングを始めます。
ここに、サイドへパスを出すときについていた池田と藤田がチョヨンチョルを離してしまいます。
センターバックに任せる意図があったのかもしれませんが、ノバコビッチが中央にスタンバイしていることを考えると、ここは、藤田が最終ラインに吸収されてでもケアすべきだったのではないかと考えます。
無論、その際は、水沼、池田が1列ずつリトリートしてカバーすることが必要です。
3枚目の絵のシーンとなると、チョヨンチョル、青木がするするっと抜け出そうとするところをフリーにしてしまって、彼らが自由にゴール前に入っていくきっかけをつくってしまっています。
最後、チョヨンチョルへのラストパスのシーンですが、ずっとセンターで張っていたノバコビッチを使ったワンツーでも良いですし、中央に飛び込んで来ている青木を使っても良いシーンです。
しかしながら、渡辺は、ここでトップスピードでセンターバックの背後を狙うチョヨンチョルへピンポイントのスルーパスを送ります。
ちょっと前の古くさい言い方でいうと、まさにキラーパスですよね。
丹羽もセンターにしぼって菊池と中央を守っていたのですが、トップスピードで入ってくるチョヨンチョルについていくのはちょっと厳しかったですね。
チョヨンチョルも走り抜けながらボールを受け、うまく腰を回してゴールを突き刺しました。
チョヨンチョルからサイドへ展開されるまでは、何の問題もなかった鳥栖の守備陣が、ゴール前に迫られる頃には、ほぼ崩壊してしまっているという、今年の守備陣の問題が浮き彫りになっています。
守備陣形が整っているときは、全体が統率されて、出されてはいけないエリアをカバーする事がしっかりとできています。
ただ、誰か一人が交わされたり、ボランチやディフェンスラインの人間が飛び出してくると、全体のマークのスライドがうまくいかずに、今回の失点のような事態を招きます。
キムミヌのボールへのチャレンジは決して悪い物プレーではなかったと思います。
ポイントは、彼がボールをとれなかったときに、他のプレーヤーがどのようにカバーするか、どのようにしてチャンスを作らせないかというところです。
前線からの守備では、チーム全体の意識が統一されて、パスコースを消したり、プレスに入ったりというところができています。
ところが、相手がバイタルエリアに入ってきたところで、2列目からの飛び出しについていけなかったり、スライドがうまくいかずにひとり余らせてしまったりと、どうしてもほころびをみせてしまっています。去年は、サイドの選手がこの当たりをうまく抑えていたのですが、今年はなかなか失点が減らないですよね。
あと、この試合でおもしろかったのは、前節のマルキーニョスがあれだけ裏のスペースを執拗について、守備の崩しを狙っていたのと対照的で、上記の得点シーンのノバコビッチですが、ほとんどそのプレーエリアから動きを見せていません。
チョヨンチョルがあれだけボールをサイドに転化した後に逆サイドのゴール前までフリーランニングしているのですが、ノバコビッチは微動だにせず、ただひたすらにターゲットとして待ち構えています。
逆に言うと、その動きを警戒しすぎて、菊池と丹羽も動けなくなってしまったところがあると思います。
豊田の場合は、よく動くタイプなので、豊田が囮で池田が得点というパターンともまた違った味のある攻撃です。
なにはともあれ、大きな大きな勝ち点3を得ることができました。
やはり、サポーターの声は選手たちにとって、大きな励みであると思います。
ホームでの試合が続きますので、ぜひとも連勝と波に乗っていきたいですね。
Posted by オオタニ at 19:52
│Match Impression (2013)