サガン鳥栖の観戦記。戦術を分析して分かりやすく説明できるように心がけています。

2016年05月13日

「ヨシキの視点」から考える守備構築

先日の広島戦について、義希の言葉が佐賀新聞に載っていました。

<ヨシキの視点>攻守に反省点多く惨敗

---抜粋---
「反省点は多い。一番修正しないといけないのはディフェンスラインのずれ。1失点目の場面もだったが、(誰がマークに付くかという部分で)自分が後ろに下がるのか、サイドバックが絞ってくるのか。クロスが上がった時の、相手選手への対応をもっと突き詰めていかないといけない。」
-------------

「(誰がマークに付くかという部分で)」のところが括弧書きになっていますが、そこがホントに義希が思っていることなのか、記者が文脈から補完したところなのか、一番大事で気になるところです(笑)

ゾーンだけ、マークだけという守備では守りきれず、臨機応変な対応は求められるのですが、とは言え、主眼をどちらに置くかというのはありますから、「ゾーン」を主体としてスペースを埋める動きが求められているのか、「人」を主体として担当している人間をはずさない動きが求められているのか、おそらくこのインタビューを見るにもっと人を意識しなさいということでしょうが、括弧書きなので何とも判断つかないですね(笑)

次に、「自分が後ろに下がるのか、サイドバックが絞ってくるのか」というところですが、これこそ、監督の思想が組織構築に如実に表れるところだと思います。

1失点目のスルーパスの場面を基に今後の守備構築の指示をするにしても、ディフェンス陣に対して、中盤まで前に出てプレスに「行く」「行かない」がありますし、中盤が「連動してプレスする」「ディフェンスラインをカバーする」もありますし、前線に対して「プレスバックを強くする」「パスコースを消す」「ポストからの戻りの方を狙う」など、あの場面だけでも指示の組み合わせは様々あります。

監督の思想(指示)を汲み取って、同じような場面で、チーム全体が意思統一して連動して動き始めると、「組織的な守備」の出来上がりでして、その守備構築こそ監督の醍醐味ですよね。

ちなみに、筆者ならば、前半の入り方に対しては、ディフェンスラインは持場を離れるようなプレスは自重しなさい。もしセンターバックが出て行ったならばサイドバックはしっかりと絞って中をケアしなさい。フォワードのプレスバックは強く詰めずにパスコースを切って、ポストでボールが戻された選手に対してのアプローチの準備をしなさい…と言いますかね。

実際は、ここまでディテールを話す監督はあんまりいないと思いますが、ある程度大きな方向性を指示として与えた後に、あとは選手個々の状況に応じた判断を交えて、ひとつひとつ動きのずれつぶしていくしかないのでしょうね。

さて、そろそろFC東京戦ですが、無理して勝ちを狙いに行くよりは、守り切って勝ち点1をとるという戦術でもOKだとは思いますが、果たしてマッシモさんの思いは如何に…ですね。
鎌田がスタメンに復帰したので、さらっとスルーパスから豊田が点取ってくれそうな気はしますけどね。



同じカテゴリー(SAgAN Diary)の記事画像
前年度在籍していたサガン戦士が翌年度不在となってしまう割合
サガン鳥栖の勝敗と担当主審との関係(2014 to 2018)
ベルギー代表をサガン鳥栖の選手で置き換えてみました。
トレーニングマッチ サガン鳥栖 VS  ロアッソ熊本
メキシコのドイツに対する戦術をサガン鳥栖の選手で例えました
過去データを基にしたサガン鳥栖残留に向けたシミュレーション
同じカテゴリー(SAgAN Diary)の記事
 2020年度シーズンのサガン鳥栖レビューについて (2020-07-09 12:37)
 トレーニングマッチ サガン鳥栖 VS アビスパ福岡 (2019-02-19 12:38)
 前年度在籍していたサガン戦士が翌年度不在となってしまう割合 (2019-02-08 18:46)
 サガン鳥栖の勝敗と担当主審との関係(2014 to 2018) (2019-01-10 20:20)
 マッシモ解任報道について(マッシモ解任のタイミング) (2018-10-08 21:33)
 ベルギー代表をサガン鳥栖の選手で置き換えてみました。 (2018-07-12 16:02)

Posted by オオタニ at 18:07 │SAgAN Diary