2016年05月17日
「データが示すフィッカデンティサッカー」記事の分析(1)
「データが示すフィッカデンティサッカー己のスタイルで古巣・FC東京に挑む」
という記事がSportsnaviに掲載されました。
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201605120003-spnavi
データそのものには意思や意図は持っていません。
データは結果を示しているだけです。
データに対して意思や意図を吹き込むのは書き手自身であり、データは問題(課題・仮説)の証明や、法則・関連を見つけ出すために利用されるものです。
よって、様々なデータを駆使して説明されている場合は、書き手が意図した事をどのデータが証明しているか、そのデータに正当性はあるのかという観点で見ることが大切です。
今回、よい機会ですので、この手の統計情報とそれに対する分析記事が出た時に頭に入れておいた方が良いことを整理しました。
決して、この記事を否定するのではなく、統計情報と分析結果が出た時に、どのように捉えて、自分自身でどのように判断するべきか、提示されたデータを上手く活用してほしいなと思って書きました。
何回かに分けて書こうと思います。
(1) 問題設定(課題設定・仮説設定)は何か?
今回の記事では、記事中の「それは、ポゼッションしながら攻める形のサッカーである。チーム始動から開幕までの期間は短かったが、フィッカデンティの目指すサッカーの萌芽はすでに数値として表れている。」とあるので、ポゼションサッカーが出来上がりつつあることを証明するためにデータが利用され、確かに、前年度よりポゼションサッカーにシフトしつつある事が示されているように見えます。
そして、最終的にデータ分析の結果の結びの言葉として、
「このようなサッカーを見せられて、これ以上、何を望むのだろうか。」
という形で締めくくられました。
極端に言うと、監督の意図しているポゼションサッカーは確立されており、観客がこれ以上満足のいくようなサッカーを望むことはできないという形で締められています。
ところが、文章には続きがあり、その後すぐに様々な問題が提起されています。要約すると
・ 8節時点での勝利数が前年に比べて少ない。
・ 入場者数が減少している。(1万人を切る試合が早くも3試合でている)
です。
書き手自身が「何か腑に落ちないものをサポーターは感じているだろう。」と記載しておりますが、確かに、実状としては、サガン鳥栖として解決が必要なのは後から提起された、勝利に関することであり、観客数に関することなのです。
結果、この記事は、マッシモさんのサッカーを肯定するでも否定するでもなく、最終的に「クオリティーアップとフィッカデンティのサッカーで結果を出せるFW」や「個々の選手のアイデアを加えるしかない」と、個人の能力アップが必要という形で締めくくられています。
予算の少ないサガン鳥栖は、選手の個人能力ではなく組織力で対抗しなければならないというチームの大前提があるのに、最終的には「個人の能力アップ」で片づけられると若干寂しいものがあります。
読み手としては、仮説を
「サガン鳥栖のポゼションしながら攻める形のサッカーが完成すると、勝ち点が増える」
もしくは
「サガン鳥栖のポゼションしながら攻める形のサッカーが完成しても、勝ち点は増えない」
の、どちらかを設定してデータ分析を用いて証明してくれると現状にあった分析で楽しめたのですが、「ポゼションサッカーができている」ということを大きく取り出してデータで検証してまったため、本来解決しなければならない問題が置き去りになってしまった感じです。
もう一歩踏み込んで、ポゼションサッカーに移行できていることが証明されているが、なぜ、勝ち点と観客が増えていないのかという事を記事にしてほしかったのですが、それは、次回の記事に期待しましょう。
という記事がSportsnaviに掲載されました。
http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201605120003-spnavi
データそのものには意思や意図は持っていません。
データは結果を示しているだけです。
データに対して意思や意図を吹き込むのは書き手自身であり、データは問題(課題・仮説)の証明や、法則・関連を見つけ出すために利用されるものです。
よって、様々なデータを駆使して説明されている場合は、書き手が意図した事をどのデータが証明しているか、そのデータに正当性はあるのかという観点で見ることが大切です。
今回、よい機会ですので、この手の統計情報とそれに対する分析記事が出た時に頭に入れておいた方が良いことを整理しました。
決して、この記事を否定するのではなく、統計情報と分析結果が出た時に、どのように捉えて、自分自身でどのように判断するべきか、提示されたデータを上手く活用してほしいなと思って書きました。
何回かに分けて書こうと思います。
(1) 問題設定(課題設定・仮説設定)は何か?
今回の記事では、記事中の「それは、ポゼッションしながら攻める形のサッカーである。チーム始動から開幕までの期間は短かったが、フィッカデンティの目指すサッカーの萌芽はすでに数値として表れている。」とあるので、ポゼションサッカーが出来上がりつつあることを証明するためにデータが利用され、確かに、前年度よりポゼションサッカーにシフトしつつある事が示されているように見えます。
そして、最終的にデータ分析の結果の結びの言葉として、
「このようなサッカーを見せられて、これ以上、何を望むのだろうか。」
という形で締めくくられました。
極端に言うと、監督の意図しているポゼションサッカーは確立されており、観客がこれ以上満足のいくようなサッカーを望むことはできないという形で締められています。
ところが、文章には続きがあり、その後すぐに様々な問題が提起されています。要約すると
・ 8節時点での勝利数が前年に比べて少ない。
・ 入場者数が減少している。(1万人を切る試合が早くも3試合でている)
です。
書き手自身が「何か腑に落ちないものをサポーターは感じているだろう。」と記載しておりますが、確かに、実状としては、サガン鳥栖として解決が必要なのは後から提起された、勝利に関することであり、観客数に関することなのです。
結果、この記事は、マッシモさんのサッカーを肯定するでも否定するでもなく、最終的に「クオリティーアップとフィッカデンティのサッカーで結果を出せるFW」や「個々の選手のアイデアを加えるしかない」と、個人の能力アップが必要という形で締めくくられています。
予算の少ないサガン鳥栖は、選手の個人能力ではなく組織力で対抗しなければならないというチームの大前提があるのに、最終的には「個人の能力アップ」で片づけられると若干寂しいものがあります。
読み手としては、仮説を
「サガン鳥栖のポゼションしながら攻める形のサッカーが完成すると、勝ち点が増える」
もしくは
「サガン鳥栖のポゼションしながら攻める形のサッカーが完成しても、勝ち点は増えない」
の、どちらかを設定してデータ分析を用いて証明してくれると現状にあった分析で楽しめたのですが、「ポゼションサッカーができている」ということを大きく取り出してデータで検証してまったため、本来解決しなければならない問題が置き去りになってしまった感じです。
もう一歩踏み込んで、ポゼションサッカーに移行できていることが証明されているが、なぜ、勝ち点と観客が増えていないのかという事を記事にしてほしかったのですが、それは、次回の記事に期待しましょう。
2020年度シーズンのサガン鳥栖レビューについて
トレーニングマッチ サガン鳥栖 VS アビスパ福岡
前年度在籍していたサガン戦士が翌年度不在となってしまう割合
サガン鳥栖の勝敗と担当主審との関係(2014 to 2018)
マッシモ解任報道について(マッシモ解任のタイミング)
ベルギー代表をサガン鳥栖の選手で置き換えてみました。
トレーニングマッチ サガン鳥栖 VS アビスパ福岡
前年度在籍していたサガン戦士が翌年度不在となってしまう割合
サガン鳥栖の勝敗と担当主審との関係(2014 to 2018)
マッシモ解任報道について(マッシモ解任のタイミング)
ベルギー代表をサガン鳥栖の選手で置き換えてみました。
Posted by オオタニ at 22:47
│SAgAN Diary